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意外な穴場の直売店はなんと築地「川梅商店」さんの信頼の厚いあんみつを食べきりサイズで特別販売!

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

工場直売店、皆さんは足を運んだことがありますか?なかなか周りにはないという方もいらっしゃれば、バスツアーのコースの中に入っていたという方もいらっしゃることでしょう。工場直売店の利点として、限定品は勿論のこと市場に出回らないサイズでの小売り、できたてを購入できるなどがあげられます。

ちょっとレトロで可愛いイラストの女の子の頭には、梅模様の頭巾が
ちょっとレトロで可愛いイラストの女の子の頭には、梅模様の頭巾が

東京都中央区築地。なにかと話題の絶えない築地場外市場をはじめ、周辺には様々な専門店がずらり!和菓子好きの私にとっても欠かせないお店がいくつかあるのですが、創業1899年「川梅商店」さんもその中のひとつ。

たっぷりすぎるほどの黒蜜…!
たっぷりすぎるほどの黒蜜…!

屋号からだけでは何のお店かいまいちピンとこないかもしれませんが、実は寒天やあんこをはじめとする甘味食材や甘味材料を作っていらっしゃる工場兼卸しのお店。賽の目にカットされた寒天にあんこ、求肥、更にはおはぎや串団子、柏餅など実に多彩!

宿泊施設や甘味処、お食事処へ卸しているため、個人では消費できる量ではありませんが、実はお店の裏側にて食べきりサイズの甘味などを販売していらっしゃるのです。

小倉あんみつ
小倉あんみつ

今回は川梅商店さんの看板商品のひとつ「小倉あんみつ」をご紹介。

素材と寒天、黒蜜がそれぞれ分かれている構造。カップの中にはたっぷりの寒天が!こちらは伊豆半島の天草を中心に、その時旬を迎えた天草をいくつかブレンドして煮出しているそう。店頭にその日の産地が掲載されています。

何もつけずとも磯の香りごと美味しい寒天
何もつけずとも磯の香りごと美味しい寒天

天草の風味もしたたかながら、ほろほろど解けていく瞬間もどこか滑らかな寒天は口馴染みが良好。そこへあんこなどを乗せていきます。センスが問われる瞬間ですね…

ぽってりとした粒餡は黒蜜や寒天の水分に負けない質感ですが、口溶けは非常にさらさらとしているのもまた不思議。ふんわりとした求肥やほろりとした柔らかなえんどう豆、目の覚めるような酸味を運んでくる杏子…。

りっぱな杏子が二つも…!
りっぱな杏子が二つも…!

しっかり深さのある容器なので、そのままでも召し上がりやすいかと。
しっかり深さのある容器なので、そのままでも召し上がりやすいかと。

存在感抜群の黒蜜はエッジが効いており、まさにこのための黒蜜!という印象をも与えてくれます。それでいてそのままペロリとしても味見がとまらない。

今回いただいた小倉あんみつの素材は全て個別でも購入することができるのですが、ひとつひとつが塩気・甘さ・酸味・香り立ちなど特製がはっきりとしていて単品でいただいても一緒にいただいても美味しいのです。

黒蜜はたっぷり派?それとも少しずつ調整派?
黒蜜はたっぷり派?それとも少しずつ調整派?

お互いの不足している部分を補うというよりは、調和できるポテンシャルを確立しているといいますか。

三位一体、いえいえ、四位一体の甘露
三位一体、いえいえ、四位一体の甘露

大通りの一本裏手、という知る人ぞ知るというロケーションもまた味があるんですよねぇ。おやつは勿論のこと、築地や銀座観光でいらした際はあらかじめ購入してホテルの冷蔵庫などで冷やしていただき、夜のデザートとして召し上がるのもおすすめですよ。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<川梅商店・Sweet Shop KAWAUME>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区築地3-3-5
03-3545-8728
10時~16時定休日 土日祝

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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