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本気で結婚したい40代女性が今すべきこと~連載インタビュー(5)41歳で成婚した事例紹介~

大宮冬洋フリーライター

「私はいま40歳です。結婚相手を見つけるのは大変だとはわかっています。でも、婚活をがんばっているんです。『あきらめろ』なんて言わないでください」

ある女性から抗議をされた。筆者が本連載で書いた「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」を読んだらしい。ちょっと冷たい印象を受ける内容だったかもしれない。お詫びというわけではないが、識者を訪ね歩いて「40代の女性が本気で結婚したくなったらどうすればいいのか」を考えていきたい。

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本気で打ち込んできたテニスを通じて「素朴で正直な」男性と再会し、41歳のときに結ばれた女性がいる。都内で事務職をしている斎藤紀子さん(仮名、45歳)だ。筆者は35歳以上で結婚した「晩婚さん」たちを訪ね歩いてインタビューする連載を続けており、斎藤さんにもお話を伺ったことがある(記事はこちら)。学校縁や社縁ではなく、スポーツが縁となったことに興味を覚えた。

斎藤さんは結婚してすぐに妊娠し、現在は子育てをしながら事務職のパートタイマーとして働いている。仕事と家事の合間の時間を割いてもらい、最寄り駅前で待ち合わせをして、近くの喫茶店に入った。

仕事と家事の合間にインタビューに応じてくれた斎藤さん。きさくで前向きな人柄だ
仕事と家事の合間にインタビューに応じてくれた斎藤さん。きさくで前向きな人柄だ

――お久しぶりです。今日は「出会い」について改めて話を聞かせてください。学生時代からテニスといえば華やかな印象があります。社会人のテニスサークルでも恋愛は多いのでしょうか。

テニスは良くないですよ(笑)。どこのテニススクールでも恋愛や不倫の話がつきものです。一緒に体を激しく動かして楽しむ趣味なので、腕が同じぐらいだと自然と仲良くなります。男女混合のダブルスを組んで試合に勝ったりすると盛り上がってしまい、そのまま恋愛関係になるケースも少なくありません。

中年でもカッコいい男性が多いですよ。テニスで鍛えているのでぜい肉がなくてスラっとしていたり、バブルっぽい遊び上手もいたり。

――イメージ通りですね(笑)。斎藤さんご自身はいかがでしたか。

36歳のときにテニス仲間の男性と1年ほどお付き合いしたことがあります。7歳年上でバツイチの方でした。とても明るくて面白い人でしたが、再婚する気はまったくないことがわかって気持ちよくお別れしました。私が結婚するときは爽やかに祝ってくれましたよ(笑)。

テニス仲間のおばさまたちからお金持ちの独身男性を紹介してもらったこともあります。でも、何度かお会いしても会話がまったく弾まないのでお断りしました。

かといって、お見合いパーティーなどに参加してもダメでした。お互いに相手を採点しながら会っている感じが性に合わなくて……。

――恋愛の楽しさを知っている人には、お見合いなどで出会って結婚するのは心理的に難しくなってしまうのかもしれませんね。

私も30代前半までは「100%の恋愛感情を持てないとお付き合いできない」と思っていました。でも、40歳近くになって身の丈がようやくわかって来ましたよ(笑)。そこそこ高収入でカッコ良くて話が面白いアラフォー男性なんて独身のままで残っていませんから。「ちょっとボンヤリしている人でもいい。自分の名前をちゃんと言えて真っ直ぐに歩ける人ならば構わないので紹介してほしい」と公言していました。

――僕はダンナさんともお会いしたことがありますよね。いわゆるオシャレなイケメンではないけれど、体格が良くて朗らかで正直な方だと感じました。

結婚する4年ほど前にテニスつながりで会ったことがあります。そのときの第一印象も爽やかでした。共通の友だちがその縁をつないでくれたんです。私たちは親戚同士なのではないかと思うぐらいに一緒にいて自然に感じました。

正直に言って、私たちは大恋愛で結婚したのではありません。もちろん、60%ぐらいは好きな気持ちが必要です。生理的に無理な人とは一緒に暮らせませんから。残りの40%は「お互いの地元が近い」「仕事が安定している」「趣味が合うので友だちも共有できる」などの要素でもいいと思うのです。

30代も半ばを過ぎると周囲から「若い」とは言われなくなる。言われたとしても「年齢の割には若く見える」という意味だ。自己認識としても「ようやく大人になりつつある」と感じる。

大人になるといいこともある。白黒の判断を簡単につけなくなり、他人にも自分にも優しくなれることだ。自分自身にも黒い部分は必ずあり、黒っぽく見える他者を切り捨てても誰かが救われるわけではないと経験的に学んでいくからだろう。不倫から始まる本当の愛情もあるし、「60%ぐらいの恋愛感情」から温かい夫婦関係を生み出せることもある。

「昔の恋愛のことはあまり具体的に書かないでくださいね。夫が読んだときに悲しませたくありません。考え方はちょっと古いけれど、素朴で正直でいい人なんです」

別れ際に斎藤さんはくぎを刺した。この気遣いに、オープンだけど思いやりに溢れた家庭生活が垣間見える気がする。大人が恋愛して結婚に至るためには、出会いの質と量を追求するよりも、「身の丈」を知って他者への気配りを心がけることのほうが大切なのかもしれない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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