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福岡・天神エリアで屈指の低価格ラーメン店も今年に入って価格上昇〈豚骨ラーメン一杯はそれでも490円〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市中央区の天神。「天神」は、福岡県内はもとより九州でも最大の繁華街であり中心の街。そのさらに中央に存在する「新天町商店街」に並行した通り「天神サザン通り」沿いにあるパチンコ店(現在は閉業)に併設された店舗。それが〈楽勝ラーメン〉である。

財布にやさしい格安店の大切な決断

天神エリアでラーメン一杯の価格が「390円」と最安値を継続していた〈楽勝ラーメン〉が値上げに踏み切ったというニュースが入ってきたのは今年(2024年)の春頃。ベーシックな「楽勝ラーメン」の価格を390円から490円へと変更し、天神エリア内での「最安値店」という称号を返上。このエリアでは2番目となった。

値上げをお知らせする表示(2024年5月)
値上げをお知らせする表示(2024年5月)

それでも天神という中心街で家賃や人件費の高い中、いま現在もワンコイン以下の「490円」という価格は、近年ではあり得ない設定であることに変わりなく、これからも小さな応援ではあるものの定期的に訪問したいと思っている。それと同時にこれまでの企業努力と現在の原材料費等の価格高騰に伴う値上げの決断について敬意を表し、ラーメン好きの一人として心からお礼を申し上げたい。また、低価格路線の代表的なお店の一つが値上げするという決断により、いま現在同様の理由で苦労されている多くのお店(個人店)への勇気や励ましにもつながるのではないだろうかと想像する。

この日、訪れたのは13時半前。店内に入って左手にある券売機で食券を購入。前回訪問した時に貼られていた価格改定の説明書きはすでに無く、新札への対応ができてない旨に変わっていた。それをざっと眺めながら最上段の「煮玉子ラーメン」を選択し発券。店内はかなり賑わっていて唯一空いていたコの字型カウンター正面の席に腰を下ろしスタッフの方に食券を渡しつつ、麺の硬さは「カタ」で注文した。

お値段以上に美味しい豚骨ラーメン

待つこと少々で配膳された「煮玉子ラーメン」は、変わらずの美味しさをキープした安定感。クリーミーな豚骨スープは脂感がかなり控えめなため、スッキリとした味わいの心地いい一杯に仕上がっている。

合わせる細ストレート麺は、モッチリとした食感ながら歯応えもある秀逸な品。具材はデフォルトでチャーシュー、ネギ、もやしという組み合わせ。そこにトッピングの半熟のトロッとした美味しい味付けの煮玉子が加わる一杯。

正直に言うと、390円→490円(100円アップ)と2割程度アップしているものの、値段を高く感じることは(自身には)ない。この価格の上昇率を参考に(旧価格から分かりやすく50円・100円アップのお店が多いと思われる中で)単純に同等の2割程度のアップで仮説的に価格設定してみると、今まで「500円」だったお店は→「630円」に。「600円」だったお店は→「750円」に。「700円」だったお店は→「880円」。「800円」だったお店は→「1,000円」。「900円」なら→「1,130円」、「1,000円」なら→「1,250円」という計算になる。物価が下げ止まりしない以上この価格設定でいいのではないだろうか?

最後に(ここでも何度か書かせていただきましたが)誤解を恐れずにいうと格安店の代表的なお店の値上げは、今まで値上げをためらっていた個人店が価格を上げやすくなるきっかけにもなり、救われるところもあるのではないかと想像したりもします。値段が安いということは、私たち消費者にとって大変ありがたいことではあるものの現在のような物価の高騰がおさまらない状況下では、大好きなラーメン店が価格を上げられないまま無くなってしまうという本末転倒の結果をまねき意味がありません。綺麗事と思われるかもしれませんが頑張りすぎず適正といわれる価格で多くのお店が儲けを出しながら存続できること。それがラーメンファンとしての願いでもあります。

楽勝ラーメン

住所  :福岡県福岡市中央区天神2丁目6-36[地図
営業時間:11時00分〜21時30分(O.S.21時00分)
店休日 :月曜日 ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣に有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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