物議を醸した「ブラック企業大賞」受賞企業が発表される
前々回の記事で紹介した「ブラック企業大賞」の授賞式が12月23日に実施された。
参考記事:ブラック企業大賞2017…誰が選んだ?就活で参考になる情報なの?という疑問に答えます
※本記事は上記記事の続報という立ち位置になるため、先に上記記事をお読みいただきたい。
ウェブ投票ではNHKが圧倒的1位の得票数となったが、大賞受賞企業はNHKではなく「株式会社引越社」を始めとする引越社グループとなったようだ。
まずは、受賞企業とその受賞理由を下記に引用して確認しよう。
追記:大賞以外では、下記の企業が受賞企業となる。引用が長文になってしまったため、大賞以外の受賞理由は割愛する。
前回の記事でも指摘したが、ゼリヤ新薬の「研修」は外部委託されたものであり、ゼリヤ新薬独自のものではない。
つまりゼリヤ新薬以外でも同様の研修が実施されていることがあるのだが、このブラック企業大賞においては事件となり報道されるに至ったゼリヤ新薬が槍玉に挙げられる形になっている。
もちろん研修の委託先を決める責任は企業側にあり、それによってツライ想いをした社員がいる事は真摯に考えるべきだ。
しかし「不運にもそんな事が起きてしまった会社と今後も頻発し得る会社」は明確に区別するべきであろう。ゼリヤ新薬が前者であることを願う。
「ウェブ投票」は大賞選定に影響なし?
ウェブ投票で1位だったNHKは「ウェブ投票賞」のみを受賞し、その他の賞は受賞していない。
ウェブ投票以外の各賞については、ブラック企業大賞を運営する委員会のメンバーによって選定されている。
ウェブ投票の扱いが少し小さいようにも感じられるが、そもそも投票形式では知名度が高くヘイトを買っている企業ほど不利であるとも考えられる。しかし言うまでもなく、知名度が高くとも低くとも労働基準法違反やパワハラ・セクハラは許されるものではない。
そうするとウェブ投票のウエイトが小さくなるのも仕方がないのかもしれない。
ランキングではない以上、審査員の価値基準で結果が左右されてしまう事は避けられないが受賞理由に挙げられているような出来事が再発しないよう声を挙げること自体は良いことだろう。
もちろん、「受賞しなかった企業で同様の事が行われていない」という保証はない。
あくまでも「氷山の一角」が取り上げられ、批判されているのだと理解した上で目を通していただきたい。
この辺りの注意点については、前回記事も合わせてお読みいただきたい。
ブラック企業大賞2017…誰が選んだ?就活で参考になる情報なの?という疑問に答えます
以下は前回の記事にも書いたのだが、「ノミネートしているからこの企業はブラックらしい」と表面だけを捉えるのではなく、そこまで言われている企業でどのような事件が起こったのか、そしてなぜそのような事が起きるのかを考えてみて欲しい。
ブラック企業大賞やブラック企業ランキングを眺めて「なるほど、この会社がブラックなのか!」とわかったつもりになっているうちはまだまだ企業を理解できていない。
キャッチーな煽り言葉に騙されず、自分にとって必要な情報を見極めていただきたい。