「2シーズン登板なしのリリーフ投手」と「好成績のマイナーリーガー」を交換。このトレードは釣り合う!?
8月2日、ミルウォーキー・ブルワーズは、サンフランシスコ・ジャイアンツからトレバー・ローゼンタールを獲得し、交換にトリスタン・ピータースを放出した。
ローゼンタールは、32歳のリリーフ投手だ。通算373試合に登板し、132セーブと49ホールドを記録している。奪三振率と与四球率は12.12と4.38、防御率は3.36だ。もっとも、ここ2シーズンは、マイナーリーグでも投げていない。2021年は全休し、昨オフにFAとなってから、先月下旬にジャイアンツと契約を交わすまでは、どの球団にも在籍していなかった(「1年半以上も登板なしの投手が450万ドルで入団。ただし、実際の金額は半分以下」)。
一方、ピータースは、22歳の外野手だ。昨年のドラフトで7巡目・全体207位指名を受け、ルーキーリーグの13試合に出場した。今シーズンはA+の90試合に出場し、打率.306と出塁率.386、OPS.871。長打は、ホームランが7本、三塁打が8本、二塁打が22本だ。13盗塁も記録している。
実績があるとはいえ、ブランクの短くないリリーフ投手を数ヵ月だけレンタルするために、ドラフト順位はそう高くないものの、実質プロ1年目に好成績を残しているマイナーリーガーを手放したということだ。
これには、ブルペンの事情が関係しているように思える。ブルワーズは、地区首位にいるにもかかわらず、8月1日に、クローザーのジョシュ・ヘイダーをサンディエゴ・パドレスへ放出した。その理由については、「地区首位に立っているのに、オールスター選出のクローザーをトレードで放出する。その理由はどこにある!?」で書いた。
ヘイダーと交換に、パドレスのクローザーだったテイラー・ロジャース(と他3人)を獲得したが、ロジャースだけでヘイダーの抜けた穴を埋めるのは難しい。ブルワーズがブルペンに加えたのは、2人のTR、ロジャースとローゼンタールにとどまらない。ヘイダーの放出から数時間後に、テキサス・レンジャーズからマット・ブッシュを手に入れた。
また、ヘイダーがいなくなることを見越してなのかどうかは不明ながら、先月下旬には、ジェイク・マギーとも契約を交わしている。マギーは、先月中旬にジャイアンツから解雇された。