シリアのアサド大統領が軽い貧血で演説を中断
シリアのバッシャール・アサド大統領(1965年生まれ、54歳)が8月12日、人民議会(国会)議員を前に演説を行った。
演説は、シリア軍がアレッポ市西部郊外一帯を完全解放したのを祝して2月17日に行われて以来、約半年ぶりで、7月19日に投票が行われ、8月10日に開会した第3期となる人民議会の臨時会の開会会議に合わせたもの。12日の正午に、大統領府がフェイスブック、ツイッター、テレグラムなどの公式アカウントを通じて、「第3期人民議会の議員を前にアサド大統領の演説が予定されている」と告知されていた。
アサド大統領は演説のなかで、人民議会選挙の意義、立法府の役割、米国のカイザー・シリア市民保護法への対応、シリア・ポンドの下落への対応策などについて言及した。だが、演説が中盤にさしかかった頃から言葉がつかえ始めた。
苦しそうな表情を浮かべて、用意されていた水を飲むなどした大統領は、話を中断し、「1分座らせてもらえるか。差し支えなければ、1分だけ。1分だけ…」と述べて、よろけながら会場を後にした。
大統領府は午後5時頃、フェイスブック、ツイッター、テレグラムなどの公式アカウントを通じて、以下の通り、演説の再開を発表した。
その後、アサド大統領は軽やかな足取りで会場に登場し、演説は再開された。
「あなたに血と魂を捧げる、バッシャールよ」と連呼する議員たちを前に、壇上に戻った大統領は、頭をかいて、照れ笑いをしながら、こう釈明した。
大統領府が公開した演説の映像にもこのシーンは削除されずに視聴で可能である(映像の33分頃)。
アサド大統領の演説の内容については「アサド大統領が第3期人民議会の開会に合わせて議員を前に演説:「我々が軍に寄り添っているのは、その成果があったからだということを思い出して、自国通貨を支援しなければならない」」(シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢、2020年8月12日)を参照されたい。