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史上初の「30-60」に到達したアクーニャJr.が同時に打ち立てた、もう一つの新記録

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)Aug 31, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月31日、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、2回表にシーズン30本目のホームラン――2年ぶり通算3本目のグランドスラム――を打ち、すでに記録している61盗塁と合わせ、史上初の「30-60」に到達した。さらに、この試合は、9回表に二盗も成功させた。

 これまでに「30-50」あるいは「20-60」を達成した選手は延べ8人いるが、「30-60」にリーチをかけた選手――30本塁打以上&59盗塁(あと1盗塁)、あるいは29本塁打&60盗塁以上(あと1本塁打)――はいなかった。

 また、アクーニャJr.は、「30-60」と同時に、もう一つの記録も塗り替えた。スタッツ・センターによると、メジャーデビューから647試合で150本塁打&150盗塁は史上最速。それまでのトップ6、現在の2位~7位は、681試合のエリック・デービス、737試合のアルフォンソ・ソリアーノ、738試合のダリル・ストロベリー、787試合のボビー・ボンズ、845試合のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)、860試合のサミー・ソーサだという。

 ちなみに、ボビーの息子、バリー・ボンズが150本塁打&150盗塁に到達したのは、890試合目だった。

 アクーニャJr.は、8月31日のホームランが150本目。盗塁は、168から169とした。各シーズンのホームランは、2018年が26本、2019年が41本、短縮シーズンの2020年が14本、2021年が24本、2022年が15本、2023年はここまで30本。各シーズンの盗塁は、16、37、8、17、29、62だ。

 年齢は、まだ25歳。これまで、300本塁打&300盗塁に到達した選手は8人、ウィリー・メイズ(660本塁打&338盗塁)、ボビー(332本塁打&461盗塁)、アンドレ・ドーソン(438本塁打&314盗塁)、バリー(762本塁打&514盗塁)、スティーブ・フィンリー(304本塁打&320盗塁)、レジー・サンダース(305本塁打&304盗塁)、アレックス・ロドリゲス(696本塁打&329盗塁)、カルロス・ベルトラン(435本塁打&312盗塁)しかいないが、アクーニャJr.がそこに加わっても、おかしくない気がする。

 ただ、860試合以下で150本塁打&150盗塁に到達した選手のうち、300本塁打&300盗塁にたどり着いたのはボビーだけだ。デービスは282本塁打&349盗塁、ソリアーノは412本塁打&289盗塁、ストロベリーは335本塁打&221盗塁。現時点で368本塁打&206盗塁のトラウトは、2020年以降のここ4シーズンに、計6盗塁しか記録していない。400本塁打、あるいは500本塁打には到達するかもしれないが、300盗塁には届かないだろう。

 なお、「30-50」と「20-60」の達成者については、2ヵ月前にこちらで書いた。

「「30-50」あるいは「20-60」を達成した選手たち。アクーニャJr.は史上初の「30-60」へ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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