今絶対に食べておくべき 京都の最新ラーメン「鶏白湯」3軒
京都には鶏白湯ラーメンの文化がある
京都は古くからラーメン文化が根付く、知る人ぞ知る「ラーメンの都」である。戦前の屋台から続く人気の老舗がいくつもある一方で、革新的で唯一無二のラーメンを提供する新店も増え続けている。京都のラーメン文化は、伝統と革新の両方を兼ね備えた全国でも稀有な存在と言えるだろう。
あっさりとした透明なスープの、いわゆる「京風ラーメン」と呼ばれるものは京都に存在しない。京都で古くから愛されるラーメンの多くは、味付けが強くスープも濃厚なものが多い。その中でも「鶏白湯ラーメン」は「背脂醤油ラーメン」と並び、京都のラーメンを代表するジャンルとして古くから親しまれている。今回はそんな京都で鶏白湯を提供するニューカマーを実食して厳選した。
口あたりの優しい泡系鶏白湯『らぁ麺 櫻井』(2022年創業)
四条大宮交差点から北へ程近い場所に2022年8月オープンしたのが『らぁ麺 櫻井』(京都府京都市中京区壬生坊城町1-3)。スープやチャーシューには国産鶏を使用し、化学調味料や添加物を使わないラーメン作りで、白濁した鶏白湯ラーメンと透明な鶏清湯ラーメンを提供している。
自慢の鶏白湯ラーメンは表面にきめ細かな泡を浮かべることで口あたりがまろやかに。国産鶏を長時間じっくりと炊き込み、京都の老舗醤油蔵の醤油を数種類ブレンドした醤油ダレと合わせている。しっとりと柔らかなチャーシューは国産鶏胸肉と京都ポークの肩ロースを使用。丁寧で繊細な味わいの鶏白湯ラーメンを楽しむことが出来る。
京赤地鶏の旨味があふれる鶏白湯『麺や鳥忠』(2022年創業)
東大路通沿い、東山安井交差点近くに2022年9月オープンした『麺や鳥忠』(京都府京都市東山区毘沙門町31)は、山科で創業60年という鶏肉卸小売店『鳥忠』が手掛けるラーメン専門店。卸でも扱っている「京赤地鶏」を使った鶏白湯ラーメンや唐揚げを提供している。
「創業60年の鶏屋が長年改良を重ねて作った本気の鶏白湯」が謳い文句。京赤地鶏を使ったスープは程よい粘度と濃度のバランスで、サラッとしつつもコクがある味わい。唐辛子がほのかなアクセントになっているのも京都らしい演出。しなやかな食感の中細ストレート麺との絡みも良く、しっとりとした食感の鶏胸肉チャーシューも鶏肉専門店ならではのクオリティ。
繊細な味わいの鶏白湯『麺スターむ・ラッキー』(2023年創業)
西九条エリアに2023年7月オープンしたばかりの新店『麺スターむ・ラッキー(・は星印)』(京都府京都市南区西九条森本町18)。店主は西大路の人気店『麺屋一空』出身。化学調味料を使わずに鶏にこだわり、白濁した鶏白湯ラーメンと透明な鶏清湯ラーメンを提供している。
ゼラチン質に頼り過ぎずしつこさもない鶏白湯は、きめが細かく丁寧で繊細な作り。地元の人気製麺所『麺屋棣鄂』の歯切れの良い麺との相性も抜群。チャーシューもチャーシュー麺かと思うほどに何枚も乗っており、コストパフォーマンスも良し。オープンしてまだ数ヶ月ながら、早くも地元客のリピーターをつかんでいる。
今回ご紹介した3軒は、いずれも新店ながら京都の鶏白湯ラーメンの歴史を繋ぐ実力派ばかり。ぜひ京都ラーメンを食べ歩く時にはジャンルも意識しながら、楽しいラーメンの食べ歩きを満喫して欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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