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プーホルスが加わり、ドジャースにはMVPが4人。さらに増える可能性もある!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(左)とムーキー・ベッツ May 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アルバート・プーホルスが加わり、ロサンゼルス・ドジャースにいるリーグMVPの受賞者は、4人に増えた。それぞれが受賞した年は、プーホルスが2005年と2008年と2009年、クレイトン・カーショウが2014年、ムーキー・ベッツが2018年、コディ・ベリンジャーは2019年だ。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、4人以上のMVP受賞者が、同じシーズンに同じチームでプレーしたのは、1978年のシンシナティ・レッズ、1982年のカリフォルニア・エンジェルス、1996年のボストン・レッドソックスしかないという。人数は、どのチームも4人だ。

筆者作成
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 レッズの4人は、1972年から1978年までチームメイトだった。「4人目」となったのは、1977年にMVPを受賞したジョージ・フォスターだ。1977年のフォスターは、本塁打と打点の二冠王。前年は打点王を獲得し、翌年も本塁打と打点の両タイトルを手にした。1970~77年のナ・リーグMVPは、8人中6人がレッズの選手だった(1971年はセントルイス・カーディナルスのジョー・トーリ、1974年はドジャースのスティーブ・ガービー)。このスパンのレッズの地区優勝は、5度を数える。1970年と1972年はリーグ優勝、1975年と1976年はワールドシリーズ優勝。その後、ワールドシリーズ連覇を成し遂げたナ・リーグのチームは、現れていない。今年のドジャースには、その可能性がある。

 エンジェルスの4人は、いずれも1970年代の奇数年にア・リーグMVPを受賞した。ちなみに、1971年のア・リーグMVPは、オークランド・アスレティックスのバイダ・ブルーだった。1982年のエンジェルスは、カンザスシティ・ロイヤルズで投げていたブルーと4試合で対戦。4人は、そのうちの3試合で揃って出場し、フレッド・リンドン・ベイラーは、別々の試合でブルーからホームランを打った。

 レッドソックスの4人は、シーズン途中に3人となった。福岡ダイエー・ホークスでプレーした前年を経て、3月に入団したケビン・ミッチェルが、7月にレッズへ放出された。その時、レッドソックスが交換に得た2人のうち、ブラッド・ツイドリーは2000年に大阪近鉄バファローズで1登板。打者5人に投げ、1アウトも取れずに降板した。

 ドジャースの4人は、揃い踏みするまでにしばらく時間がかかりそうだ。開幕直開幕直後に離脱したベリンジャーは、現在も故障者リストに入っている。リハビリは進んでいるようだが、マイナーリーグの試合には、まだ出場していない。

 けれども、ここから、MVP受賞者の人数がさらに増える可能性は、ゼロではない。MVPに選ばれたことのある現役選手は、ドジャースの4人以外に1314人いて、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)、バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、アンドルー・マッカッチェン(フィラデルフィア・フィリーズ)、クリス・ブライアント(シカゴ・カブス)、フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)の5人は、今オフにFAとなる(ポージーとマッカッチェンは、来シーズンの契約が球団オプション)。全休が濃厚なバーランダーが動くことはないが、ブライアントは数年前から放出の噂が絶えない。

 今シーズン、ブライアントは開幕から37試合に出場し、打率.303と出塁率.396、10本塁打と14二塁打を記録している。三塁、レフト、ライト、センター、一塁を守れるので、他のレギュラーとポジションがかぶることもない。夏のトレード市場でカブスが売り手に回り、ドジャースがその時点でスラッガーを欲していれば……。ただ、売りに出た場合は、引く手あまたになりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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