上品ながらも香り抜群!創業慶応年「鈴木亭」さんの黒砂糖たっぷりの水羊羹はじんわり広がる大人の甘味
じめじめ、どんより、じとじと…日本特有の雨季、梅雨がもうすぐそこまできていますね。都内では梅雨入りが6月上旬というのをニュースで耳にし、もうすでに6月上旬じゃないか!と思った私。
日差しが少ない曇り空とはいえ、湿度が高いだけでいつもより暑く感じてしまいませんか?そんな時、帰宅して冷蔵庫をあけて待っていてくれたら嬉しいのは…ビール?麦茶?も、良いのですが季節の和菓子でいうなら水羊羹ではないでしょうか!
お中元商戦を目前に、あちこちの和菓子屋さんでも贈答品としての詰め合わせが展開されはじめましたね。
創業1866年、幕府から信頼を受け、令和となった今でも天皇陛下へお菓子を献上し召し上がっていただけるなど由緒ある老舗「鈴木亭」さんでも、水羊羹のお取り扱いがスタート。今回はその中でも、私が黒糖好きというのもありまして水羊羹の「黒砂糖」をご紹介。
黒砂糖を惜しげもなくあわせた水ようかんは、小豆こし餡ではなく白手亡豆の白餡。一般的な小豆の羊羹よりも黒糖の色を反映させた落ち着いたトーンの茶色は、そのナチュラルな色合い故に惹かれるものがあります。
しっかり冷やしておきましたので、容器の蓋もお皿に移す際もこびりつかずするんと抜けて見た目も綺麗。香ばしさの中にどこかふっくらとした白餡の面影が感じられ、華やかすぎない香りが鼻腔を擽り、スプーンで一口。
食感もまた白餡の粒子をしっかりと感じられる濃密さではありますが、上品かつ滋味深い味わいに驚き。お日保ちするものは糖度を高めるために甘味も強くなっていると思われる方、その印象を裏切ってくれるのではないでしょうか。
じんわりと舌から染み込んでいくような黒糖のコク、奥深さが見事に表現され、白餡ということもあり後味や余韻もさらりとした心地よさ。物足りなさはないものの、一瞬時間を忘れてしまうような刹那的な静謐さが訪れるような印象です。
製造日から常温で2か月のお日保ちというのも、焦って食べなくてはならないというプレッシャーがないのでありがたいですね。
夏になると、白餡と檸檬や梅といった食べ口がすっきりとした果実と白餡をあわせた羊羹や和菓子が登場しますが、あえて酸味ではない季節感を大人っぽく取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<鈴木亭・本店>
公式サイト(外部リンク)
富山県富山市西町6-3
076-421-4972
8時~17時
定休日 元旦