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来週後半は次々と南岸低気圧が通過へ、関東は雪をもたらす下層寒気の動向に注意を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪が降る皇居(写真:イメージマート)

来週後半は太平洋側で雨優勢、関東は雨や雪の予報に

天気や最低気温、最高気温の予想(ウェザーマップ)
天気や最低気温、最高気温の予想(ウェザーマップ)

今週はこの冬一番の強烈な寒波が襲来し、日本海側を中心に、東海、四国、九州などでも雪が積もり、北風も強く吹いて、各地で厳しい寒さとなりました(関連記事)。ただ週明けにかけては、特に強い寒気もなく、比較的おだやかな天気となる所が多い予想ですが、来週後半は大きく場が転換しそうです。

上図は、関東から九州にかけての主に太平洋側の天気に特化した予報ですが、来週31日(水)頃から西日本では連日雨が予想され、関東でも2月2日(金)と4日(日)頃は雨や雪が降る予想です。

これは日本付近を低気圧や前線が頻繁に通過する計算となっているためで、最低気温に注目すると、西日本ではおおむね5度から10度程度あるため、雨が雪に変わる可能性はかなり小さいと思われますが、東京では2度から3度、八王子では0度から1度の予想となっていて、みぞれや雪に変わる可能性もある温度場となっています。

次々と降水域が通過へ

降水域の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)
降水域の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)

上図は来週後半の低気圧や前線に伴う降水域の予想を示したもので、31日(水)頃から西日本を中心に次々と通過する予想です。西日本ほどしっかりとかかる予想で、関東でも時折かかり、特に2月4日(日)から5日(月)頃は、大きな降水域が通過する計算です。

ただ低気圧や前線の通過するタイミングには、まだかなり大きなばらつきがあるため、そのタイミングやコース、発達の仕方などによっては、降水域が東西南北へそれる可能性があるほか、強まったり、弱まったりする可能性も考えられる状況です。とはいえ、来週の後半に、低気圧や前線が頻繁に通過しやすくなることは、多くの計算が物語っています。

下層の暖気と寒気の兼ね合い

下層の暖気と寒気の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)
下層の暖気と寒気の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)

参考までに、上図は2月1日(木)夜における上空1500メートル付近の下層暖気と下層寒気の予想です。西日本には南から3度以上の暖気が流れ込んでいて、これくらいの温度場となれば、平地で雨が雪に変わる可能性はまずありません。

一方、関東付近には北から-3度以下の寒気が流れ込んでいて、これは南岸低気圧による降水の場合、関東などの平地ではみぞれや雪に変わる可能性が高まってくる温度場です。

関東を通過する降水域と北からの下層寒気のタイミング次第では、来週の後半以降、東京をはじめ、関東では雪優勢の予報に変わってきてもおかしくありません。まだまだ大きな場で、おおざっぱに予想をする段階ではありますが、週明けには、ある程度の降水域や下層寒気の振る舞いが見えてくるかと思いますので、今後の計算に注目です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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