【大阪・道修町】大阪市最古の和菓子店は豊臣家の元御膳番!驚きの伝統と本式で名物は酒饅頭!「高岡福信」
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/top_1697378111642.jpeg?exp=10800)
大阪の淀屋橋界隈を歩いていると、何とも古風な看板を発見。「浪花最古の創業 名代の酒饅頭 御菓子司 高岡福信」とありました。
![大阪市で最も古い和菓子店](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378152455.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
大阪市に残る最古の和菓子屋はこんなところにあったのか。
場所は薬の町で知られる「道修町」。感慨深く思って後日、訪ねました。その名も「御菓子司 高岡福信」です。
![店舗外観、この場所で50年ほど営業中](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378210966.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
店舗の外観も古色ですが、お店の創業は江戸時代前期の「寛永元年(1624年)」。いや~、400年も前ですね。
寛永元年創業の老舗和菓子について
![「高岡福信」入口](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378289123.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
入口の扉が開いていたので入ると、中はかなり手狭。正面のガラスのショーケースにはさまざまな和菓子が陳列され、ケースの上にも和菓子類がてんこ盛りでした。
左側には酒饅頭が置いてありますね。
誰もいなかったので、声をかけ、奥から現れたご主人、17代目の高岡寛さんにご挨拶です。
小さな老舗和菓子店ですが、話を聞くと、確かに「浪花最古の創業」で、見せていただいた資料にはこうありました。
「(高岡福信は)弘前藩御用菓子司・大阪屋の歴代店主が修行し、大阪市内で最古の菓子店と言われている。初代店主である銭屋文左衛門は、もともと豊臣家の御膳番を勤めていた。寛永元年(1624)に江戸堀船町にて銭屋の屋号で創業。創業当時は、菓子のみならず蕎麦や厚焼も製造。(中略)江戸時代を通して饅頭を得意とし、大阪で名声を得ていた虎屋伊織の虎屋饅頭と並び評判を得ていた。」(なにわ歴博講座)
大阪歴史博物館の学芸員さんによって書かれたものです。
名物の酒饅頭は皮づくりだけで2週間も!
![店内の雰囲気](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697379065703.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
さて、酒饅頭(1個230円、税込み以下同)です。
通常の酒饅頭とは、まったく作り方が違うようで、「完成まで2週間ほどかかります。このような作り方は当店だけでしょう」と高岡さん。
![酒饅頭は1個230円(税込み)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378495340.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
まず「もち米」と「糀(こうじ)」を数日間寝かせて「甘酒」を造り、その甘酒を小麦粉の生地に練りこんだ後に、自然発酵を繰り返して製造する本式なもの。だから2週間も日程を要するとか。凄いですね。
![名物の酒饅頭、伝統の味!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378521796.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
実際に食べてみましたが、まず皮がうまい。お酒の香りがふんわり漂い、少し甘いか。こしあんも格別なおいしさで、ぺろりと2個を平らげました。
![皮は甘くて中のこしあんもウマい!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378541971.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
1個を買い求め、温かいうちにすぐさま食べる方も多いようですよ。
手焼き「カステーラ 君が代」の作り方も本式で硬さが特徴
![硬さが特徴の本式カステラ「カステーラ君が代」](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378668287.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
さらにもうひとつ、こちらも看板商品です。
これも半端ないこだわり、というか伝統を守っていますね。
せっかくなので「カステーラ君が代」(1690円)を購入し、自宅でじっくり食べてみました。
実はカステラには「長崎風」と「東京風」があるらしく、長崎風は大きな型で焼いて小さく切り分けるスタイル。東京風は一棹ずつ型に入れて焼くスタイルだそうです。
同店では、一棹ずつ生地を型に入れて焼いているのでカステラの全面に焼き目がついているのが特徴です。
![カステラ全体はこんな感じ、六面すべてに焼き目がつく](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378721561.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
包丁で切って味わいましたが、断面はすごく濃い黄色。玉子をたっぷり使っているからでしょうか。
![口の中で甘みが広がる](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378823062.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
玉子の風味が抜群で、何とも甘い。口のなかで甘みが広がりますね。
よくあるカステラとはまったく違っており、生地は少し硬く、とくに焼き目がついたところがめちゃウマ!
しかも、ただ硬いだけではなく、食べていると、生地からじわっと水分が出てくるんですよ。なんでしょう、この味わい深さは……。
「ザラメをひかずに和紙で六面をくるんでじっくり焼き上げる。窯に55分入っています。江戸時代は幕府に献上し、東京の人は硬いのが好きなので、いかに硬くするかが決め手だったのです」(高岡さん)
へえ、知らなかったなあ。何もかも本式で、驚きです。江戸幕府に献上していたカステラがどんなものか、一度食べてみてはどうでしょう。
さらにまた、「完売」となっていた、「丹波栗饅頭」(3個入り1500円)。これも同店の名物です。丹波篠山の栗を使い、皮をむいて3日かけて炊き込んで作るため、生産が追いつかず。でも注文すれば、作ってくれますよ。
![丹波栗饅頭は完売でした](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/kitadaiyasunori/article/00608552/internal_1697378951628.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ご主人はお話好きです。いろんな話がきけてよかったです。
興味ある方はぜひ足を運んでみてください。
店舗情報
店名:御菓子司 高岡 福信
住所:大阪市中央区道修町4-5-23
電話:06-6231-4753
営業時間:9:30~19:30
定休日:日曜祝日、土曜日不定休
アクセス:大阪メトロ淀屋橋駅から徒歩3分