政治家の収支報告書は、すべてデジタル化しリアルタイムに報告すべきでは?
KNNポール神田です
政治とカネ問題は、永遠になくならない課題のようだ。
そもそも、総務省の『政治資金収支報告書』の公開手段や公開時期に問題があるのではないだろうか?
今回の騒動もこの報告書に記載されていないことが発覚してからの大騒ぎとなった…。しかし、それは令和4年度2022年の報告書だ。令和5年度2023年の今年度分は、まだ公開されていないので、大幅に修正がはいることになりそうだ。
むしろ、この報告書は月次で報告するくらいデジタル化して国民に見える化するべきだろう。 政治とカネの問題こそデジタル化すべきイシュー(課題)ではないだろうか?
■安倍派「裏金」5億円か 事務方の刑事責任追及は必至
政党、及び政治家の資金団体は毎年1〜12月に締めた収支報告を3月までに選挙管理委員会に提出し、受理されたものが翌年の11月に定期公表されている。
そもそも、このタイムラグがありすぎることが問題と言って良いだろう。
1年も前の収支報告が毎年11月に掲載されるのだ。なぜ?そんなにも公開までに時間がかかっているのだろうか?
たとえば、通称『安倍派』と呼ばれる派閥の『清和政策研究会』だが、
http://www.seiwaken.jp/
『政治資金収支報告書』の『令和4年分定期公表』『その他の政治団体』の『セ』の分野でようやくたどりつくことができる。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SS20231124/SO/14.html
https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20231124/3120000041.pdf
令和4年(2022年)1月から12月分の収支報告書3億8747万円が、
令和5年(2023年)3月27日に東京都選挙管理委員会に提出され、令和5年の4月21日と一ヶ月後に受付られている。
そして、総務省の定期公開までに8ヶ月もの期間が経過している。
そして公開された頃には、令和4年の政治とカネの話が言及されている。…ということは、今年もすでに提出するまでにはかなりの補正しないといけない金額がうごいていることにならないだろうか?
■当該報告書が提出された年の十一月三十日までに公表するもの
総務省選挙部収支公開室に確認を取ったところ、この公開時期については、『政治資金規正法 収支報告書の要旨の公表 第二十条一項』の法律により規定されているとおりであるとのことだった。
つまり、法律によって規定されているとおり、公開されたものは、約1年前の問題であり、現在の問題は、何も追求できないのだ。
■『PDF』であっても画像ファイルで読み取れない
たとえばこのPDFをChatGPTで読み取ろうとしても…
『アップロードされた文書は、標準的なPDFではなく、PNG画像ファイルのようです。この形式は、ドキュメントが選択可能または編集可能なテキストではなく、テキストの画像で構成されていることを示唆しています』と指摘される。
資金報告書はせめて .CSV ファイルか .XML ファイルで分析できるようにすべきではないだろうか? 最初からデジタルでe-Taxのような仕組みで自動公開されればこんな1年前のことではなく、先月の記載漏れですぐに判明するようにできるはずだ。
■政治とカネの問題はリアルタイムでの国民の監視が必要だ
政治資金の報告書の掲載を早くするよりも、政治家の収支ほど、デジタル化して見える化すべきだと思う。
例えば、国民に一斉に付与した『マイナンバー』だが、政治家には収支報告用の『政治家マイナンバー』を与え、毎月の収支をP/LとB/Sで提出していくようにすれば、先月の収支がほぼリアルタイムでわかるということもできる。
何かの事件が発覚しても、先月のデータが公開されているので捜査も簡単になることだろう。
国民にはマイナンバーをもとにe-Taxやインボイス制度を徹底させているが、自分たちの収支は手書きの収支報告書やスキャニングした画像で、一年経過してからの公開というのはちょっと都合が良すぎるのではないだろうか…。
『火の玉となり、自民党の先頭に立って取り組んでいく』と2023年12月13日水に会見した岸田総理は述べたが、『当該報告書が提出された年の十一月三十日までに公表するもの』を、『五月三十一日まで』7ヶ月早めるだけでもかなり改革になると思うのだがいかがなものだろうか?