ブルガリア戦を採点する。
川島4.5 FKをキャッチしそこない先制点を許したことで、ブルガリアの選手から舐められてしまったようだ。
駒野5 「ゆりかごの動き」で5バックにならないように努めたが、それでも後方に人はダブついてしまった。駒野自身もディフェンダーの意識7、8割でプレイしていたはずだ。
今野5 プレイにゆとりなし。これまでのように、元中盤選手らしいボール操作でリズムを変えることができたシーンはなかった。前半、5バックを避けるために、日本の最終ラインは「ゆりかごの動き」で4バックを維持しようとしたが、そこで左サイドバック役になった今野は、攻撃参加の精神をほとんど発揮しなかった。サッカーが守備的になった一つの原因だ。
栗原5 Jリーグでは体力的に勝るプレイができていたが、この日はその長所が発揮されることはなかった。パワーで劣っていた。
吉田5 今野同様、サイドバック的な動きを求められるシーンが何度か遭遇したが、腰は重かった。前戦(ヨルダン戦)同様、サイドにおびき出されると、ドタドタする癖が垣間見られた。
内田5 ボールを受けると、すぐに本田を探し、預けようとしたかつてとは違い、徐々にではあるが、自信を深めつつある。だが、この日は駒野同様、3−4−3の4の両サイド(真ん中の高さにいる選手)の意識は低かった。仕方のない話ではあるけれど。
遠藤4.5 チームが全くうまくいっていない中で、代表キャップの最も多いチームの中心選手が、マイペースで淡々とプレイする姿は、どうも腑に落ちない。喜怒哀楽をプレイスタイルの中に取り入れるべきではないか。勝っているときはともかく、負けているときも同じようにプレイされると、応援に力は入りにくい。
長谷部4.5 3−4−3で戦った前半、とりわけセンターハーフとしての振る舞いができなかった。そのポジションの低さが、代表サッカーをいっそう守備的なものにしていた。
乾4.5 プレイが単調。淡泊で粘り、抑揚がない。ゲームの流れに入っていけてなかった。
前田5 前田が悪いというよりも、それ以前の問題。それでも得点を決めなくてはいけないという人は鬼。
香川4.5 ほとんどのプレイが直接的。ボール欲しがり、ボール保持者から直に受けようとする傾向が強いので、出し手と受け手の2者間の関係になりがち。3者間で作るパスコース(トライアングル)を意識せずにプレイするので、香川が動けば動くほど、パスコースは潰れていく。パスコース(トライアングル)の総数も減る。俺が俺の精神が徒になっている感じ。その結果、サイドに開いているべきタイミングでも、自ずと内に入ってしまうので、攻撃の幅まで狭くなる。相手ボールになるや、相手の反撃を許すことにもなる。俊敏な動きに目は奪われるが、クレバーさに欠けることは事実。
長友5.5 4−2−3−1に布陣が替わってからの出場なので、よく見えた面もあるが、可もなく不可もなく。彼らしい爆発的なプレイは拝めなかった。
酒井宏5 もう少しボールに絡みたかった。
中村憲5 1トップ下で出場も、得点の匂いはしなかった。パスは巧いがシュートはけっして巧くない。
細貝4.5 見せ場を作ろうと張り切ってプレイしたが、空回り。
ハーフナー5 足技で、もうワンランク奥の深いプレイが見たい。
清武4.5 存在感を発揮できず。ほとんど目立たなかった。ボールを受けたとき、もう少し視野の広さを見せて欲しい。
ザッケローニ4 中盤フラットのザック式3−4−3。これまで1度も成功した試しのない布陣を、およそ2年ぶりに披露したが、まさに案の定うまくいかなかった。その責任は誰にあるのか。ザッケローニは選手に対して激高したと聞くが、責任が監督にあるのは明白。このままでは選手からの信頼を失いかねない。流れはますます悪い方に向かっている。