【河内長野市】岩湧山はススキが見ごろ!登山の前に岩湧寺の参拝を。重要文化財の多宝塔も必見です
河内長野は国宝、重要文化財が多い自治体のひとつです。標高500メートル程度、岩湧山の中腹にある岩湧寺の多宝塔も国指定の重要文化財です。
今回は岩湧寺の名物「シュウカイドウ」が咲く時期に訪問しました。そんな過去の紹介をなぜこのタイミングで紹介するのか?それには理由があります。
理由はこれからの時期は、岩湧寺の上にある岩湧山山頂の花すすきが見頃を迎えるからです。岩湧山は滝畑方面や紀見峠方面からのルートや、加賀田の神納から岩湧寺を経由して登る加賀田ルートがあります。とくに加賀田ルートの場合は、車で岩湧寺近くの中腹まで乗り入れられるので人気があります。
しかし、山登りがメインになると、せっかく中腹にある寺の素敵な雰囲気を見落として、過ぎ去ってしまうかもしれません。それはもったいないので、これから加賀田からのルートで岩湧山を登ることを考えている場合に、途中の岩湧寺も立ち寄って欲しいという意味も込めて、この時期に記事にしました。
改めて多宝塔を紹介すると、室町後期に建てられたそうです。1980年に国の重要文化財にも指定されています。
文化財の解説(外部リンク)によると、多宝塔の下重組物(下の階)が平三斗(ひらみつと:中国由来伝統建築で屋根を支えるために柱頭に設ける部材、斗栱<ときょう>の一種)とした数少ない事例とのこと。
さらに上重(上の階)の塔身(塔の形)は細くて、全体のバランスが良いと解説してありました。
多宝塔の中には本尊の大日如来像が安置されていて、こちらも国の重要文化財です。像は平安末の作で、像の高さは88.7センチ。また同じ堂内には鎌倉時代に作られた愛染明王坐像もあり、こちらは河内長野市指定文化財です。
ところが河内長野市のページ(外部リンク)によると、どちらの像も現在は堺市博物館に寄託されているとのことなので、実際に多宝塔の中には本尊も愛染明王像もいないことになります。
しかし、11月23日から12月22日まで行われる堺市博物館の企画展「羅漢・役行者・行基-山の修行者の系譜―」(外部リンク)にて、岩湧寺の木造大日如来坐像、木造愛染明王坐像が展示されます。
これは目が離せませんね。
境内には岩湧寺の説明版があります。多宝塔と安置されていた本尊などの説明をはじめ、本堂や境内の杉林についての解説があります。
特に杉は単独の木ではなく、林としての樹齢が400年以上あるとのこと。ただし説明版が設置されたのが1982(昭和57)年で、すでに40年以上過ぎていますから、実際には樹齢440年以上ということになります。
改めて杉に近づいて見ると、すごく立派で一直線に伸びています。
市の面積の7割が山と言われている河内長野でも、これだけ立派な老木の杉林があるのは岩湧寺の境内のみとのこと。
岩湧寺本堂です。室町時代の多宝塔や樹齢440年を越える杉林よりは新しいものの、それでも江戸時代初期(1686年以前)建立の市指定文化財です。
岩湧寺本堂の説明版です。寺の創建に関する紹介が記載されており、寺伝によれば七世紀末に文武天皇が願って建立されたとのこと。寺を開いたのは葛城修験を開いた役小角(えんのおづぬ:行者)です。かつては天台宗の霊場としての役目がありましたが、現在の宗派は融通念仏宗に属しているとのこと。
岩湧寺の変額です。調べると、宝形造(ほうぎょうづくり)とよばれる方式で、4枚の屋根がすべて三角形になるとのこと。(下記画像参考)
正面の長さが3間で側面が4間です。ちなみに1間は約1.82メートルです。また本堂の内陣須弥壇(ないじんしゅみだん:本堂の奥にある本尊を安置する場所)には、厨子(ずし:仏舎利や仏像、仏画、経典などを安置する仏具)があり、室町時代後期の作と考えられています。
というわけで、岩湧寺を紹介しました。近くにある四季彩館は情報コーナーや休憩スペースがあるために、登山のベースキャンプのように立ち寄る人も多いと思います。同様に岩湧寺も岩湧山登山の前後に参拝し、杉の大木に囲まれた神聖な空間に包まれた中、国の重要文化財や市の文化財に当たる建物群をじっくりと眺めてみてはいかがでしょう。
湧出山岩湧寺
住所:大阪府河内長野市加賀田3824
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 神納バス停から徒歩90分
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