【横浜市金沢区】市場の一角に人だかりの謎「全ボトル味見OK」のたれ・ソース専門店
横浜市金沢区にある「横浜南部市場」。鮮魚や野菜、食肉、卵、お米から雑貨まで多様な専門店が立ち並んでいます。
“市場”ではありますが、一般の人も自由に買い物ができ、2019年に「ブランチ横浜南部市場」がオープンしてから一層にぎわいを見せているスポットです。
筆者の家族も、南部市場の品揃えと安さに魅せられた1人。月に数回、買い物に行く中で「“たれ”を専門で販売しているおもしろいお店があるよ」と教えてくれたお店があります。「武居商店」です。
専門店街にあるお店を訪ねていくと、たれやソース、ドレッシングがずらりと並んだ店舗に、ひっきりなしにお客さんが訪れていました。
筆者が数えたところ、店内にある液体調味料は50種類を超えています。店内にあるラインナップを見ると、「焼肉のたれ」と書いてある商品だけでも、金のたれ、赤のたれ、塩だれ、味噌だれの4種類も。ドレッシングやポン酢もバリエーション豊かで目移りしてしまいます。
なんと、このお店では店内の商品のほとんどを試食できます。レトルトパウチに入っている商品を除いて、ボトルに入ったソースやドレッシングを味見できるから、「どれにしようか」と迷うことがあっても、大丈夫。味を確認させてもらえるので、好みの商品を選べます。
筆者も味見をさせてもらいました。店員さんが小さなスプーンに調味料を入れてくれて、人気商品から順番に試させてくれました。
人気No.1の「オイルソース アヒージョ&パスタ」に始まり、人気No.2の「無限ヤミツキソース」など、気になる商品をすべて試食させてもらいました。味見をしながら、店員さんが商品の特徴を説明してくれるので、ついたくさん買ってしまいました。
ハンバーグソースでレストランの味を再現
商品の感想をいくつかフォーカスしてご紹介します。
パウチタイプの「スペシャルハンバーグソース」(税込770円)は、業務用としてレストランに卸している商品だそう。
焼きあがったハンバーグに温めたソースかけて夕飯に提供すると、家族が「わ~、レストランの味だ!」と喜んでくれました。
確かにこのソース、「お店の味がそのまま再現できる」とおすすめされたとおり、家庭での調理では出せない味だと思いました。
容量が1kgなので、家族4人分だと5回くらいは使えそう。「使いきれなかった分は保存用ビニル袋に入れて、冷凍できますよ」と店員さんにアドバイスをもらえたのもよかったです。
サラダにも鍋にも!万能ノンオイルドレッシング
次に使ってみたのは、期間限定で販売されている「神奈川県産柚子味わうドレッシング ノンオイル」。春キャベツにかけて食べてみました。ノンオイルでさっぱりしていて、キャベツをもりもり食べられました。
人気No.1ソース かけるだけのお手軽調理
「オイルソース アヒージョ&パスタ」をパスタにかけるとそのままペペロンチーノに。市販のパスタソースを使うと、パスタの量を加減したいときに、ソースの調整が難しいのですが、このソースはパスタに好みの量をかけるだけ。手軽で美味しく、便利です。
アヒージョを作りたいときは、店内にレシピが用意されているので、参考にしてみてくださいね。
開封したソースとドレッシングの瓶が冷蔵庫に増えてしまいましたが、「今日はどれを使おうかな」と考える楽しみも生まれました。
業務用調味料にはじまり家庭用商品まで幅広く製造する専門会社
取材当日、工場長の中川理さんにお話をうかがいました。
武居商店は1872年(明治5年)創業の歴史ある企業。元々は、居酒屋やレストラン、スーパーで使用する調味料を製造・販売していたそうです。徐々に業務用以外の商品も作るようになり、2020年に横浜南部市場内に自社商品の直売所を開店したとのことです。コロナ禍だったため、すぐに知名度が上がったわけではないそうですが、製造工場の前に設置したソース専用の自動販売機が話題となり、徐々に人気を集めていきました。
一体、何種類の液体調味料を扱っているのか聞いてみると――
中川さん:以前、月に1商品開発するという大胆なことをして商品が500種類くらいになったんです。そうしたら在庫管理が大変になってしまって、100種類ほどに減らしました。
と笑って教えてくれました。
中川さんによると「武居商店ならでは」と言われるようなオリジナル商品の開発販売に取り組み、地産地消にも力を注いでいるそうです。
例えば金沢区で採れた昆布と神奈川県産早摘みみかんを使った「ハマ昆布ポン酢」や、磯子区の杉田梅を使用した「横浜 杉田梅ドレッシング」。どちらの商品も、横浜の良質なお土産であることを認定する「ヨコハマ・グッズ横濱001」の『審査員特別賞』を受賞しています。
神奈川県立商工高等学校の生徒と共同開発したり、地元・横浜市金沢区の郵便局内に無人販売所を設置したりと、地域との関わりも大切にしているそうです。
さらに、同じ南部市場内でメニューすべての味付けに自社商品を使用している「マルキュウ麺食堂」を営業。業務用の商品を一般向けに販売し、さらには食堂も展開するなんて、お客さんにたれを味わってほしい!という気概を感じます。
一度来店すると、他の商品ももっと試したくなる不思議な魅力のお店。皆さんも好みのたれを見つけに行ってみませんか?