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パドレスのローテーションの過半数は「ソトのトレードで獲得」と「ソトのトレードで得た選手と交換に獲得」

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディラン・シース Aug 13, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスのローテーションには、ダルビッシュ有ジョー・マスグローブディラン・シースマイケル・キングの4人に、ジョニー・ブリトーランディ・バスケスが並ぶだろう。

 6人のうち、ダルビッシュとマスグローブは、2021年からパドレスで投げている。あとの4人は、今オフ、パドレスに加わった。

 12月7日、パドレスは、ホアン・ソトトレント・グリシャムをニューヨーク・ヤンキースへ放出し、交換に5人を獲得した。キング、ブリトー、バスケスに、ドルー・ソープカイル・ヒガシオカだ。3月13日、パドレスは、ソープら4人をシカゴ・ホワイトソックスへ放出し、交換にシースを獲得した。

 2つのトレードは、3ヵ月以上離れている。ソトを手放した時点で、パドレスがシースを手に入れようとしていたのかどうかは、定かではない。ただ、パドレスのローテーションは、「ダルビッシュとマスグローブ、ソトのトレードで獲得した3人」から「ダルビッシュとマスグローブ、ソトのトレードで獲得した2人、ソトのトレードで得た投手と交換に獲得した1人」となった。

 シースと交換に移籍した4人のなかで、ホワイトソックスが最も欲していたのはソープだと思われる。ソープは、2022年のドラフト2巡目・全体61位だ。昨年は、A+の先発18登板とAAの先発5登板で計139.1イニングを投げ、奪三振率11.76と与四球率2.45、防御率2.52を記録した。

ドルー・ソープ Mar 1, 2024
ドルー・ソープ Mar 1, 2024写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シースが加わり、パドレスのローテーションが向上したことは、間違いない。MLB.comのスコット・マーキンによると、ホワイトソックスのペドロ・グリフォール監督は、1月25日に参加した、地元のボーイズ&ガールズ・クラブのイベントで、開幕投手にシースの名前を挙げていた。

 2021年以降、シースのシーズン防御率は3.91→2.20→4.58と推移し、与四球率はいずれも3.65以上と高めながら、3シーズンとも165イニング以上を投げ、奪三振率10.85以上とFIP3.75未満を記録している。

 FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。

 なお、ソトのトレードでキングらとともに加入したヒガシオカは、ルイス・カンプサノとともにマスクをかぶる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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