ザ・リッツ・カールトン東京「アジュール フォーティーファイブ」にミシュランシェフが電撃就任
ザ・リッツ・カールトン 東京のメインダイニング
メインダイニングという言葉をご存知でしょうか。
メインダイニングとはホテルの顔となるレストランのことで、フランス料理が一般的です。
ザ・リッツ・カールトン東京といえば、ホテル新々御三家と呼ばれる高級外資系ホテルの代表格で、もちろん、メインダイニング=フランス料理があります。2007年のオープン当初は「フォーティーファイブ」というレストランでしたが、2010年9月にリニューアルを施し、店の奥が「アジュール フォーティーファイブ」というフランス料理店に、手前が「タワーズグリル」というクラシックアメリカングリルレストランになりました。
フランス料理とグリルに分ける
もともとフォーティーファイブはグリルとフランス料理のどちらとも評価は高かったですが、訴求力が分散していた印象がありました。
しかし、2つのレストランに分けたことにより、高級なフランス料理店と利用し易いグリルレストランということが明確に伝わり、以前よりも存在感を示すことができています。
新料理長が就任
こういった早い改革は、食のトレンドが目まぐるしく変わる今日において、とても重要なことであると言えるでしょう。そして、このアジュール フォーティーファイブで、2014年5月22日に宮崎慎太郎氏が料理長に就任しました。宮崎氏は「オーグードゥジュール・ヌーヴェルエール」で料理長を務め、7年連続でミシュラン1つ星を獲得した実力者です。
宮崎氏が料理長に就任して、ザ・リッツ・カールトン東京のメインダイニングはどうなるのでしょうか。
お客さまにとっての3つ星
宮崎慎太郎氏は「<最高の料理を最高のサービスで>をモットーにしている」と、料理だけではなくサービスも重要であり、「ザ・リッツ・カールトン東京であれば高いレベルで実現できる」とホスピタリティで高い評価を受けているザ・リッツ・カールトンを選んだ理由を述べます。
「全てのお客さまに満足していただくために、ミシュランだけではなくお客さまにとっての3つ星も目指す」と話すのも、ミシュラン1つ星を連続で獲得している宮崎氏であるからこそ、真実味を持ちます。
プロフェッショナルな強い情熱
実はここ数ヶ月の間、アジュール フォーティーファイブでは料理長を探していました。そのことに対して、ホテル マネージャー 細谷真規氏は「若くて実力がある人材を探していた。多くの優秀な料理人にコンタクトをとった」と述べ、宮崎氏については「若くて実力がある上に、実績も申し分がない。何にもまして、プロフェッショナルな強い情熱に感銘を受けた」と、ホテル側としても理想の料理長であったと説明します。
宮崎氏は「町場のフレンチでは様々なお客さまから評価していただいた。自分が信じるフレンチを、日本人が作るフレンチを、海外に伝えたいと思うようになった」と心境の変化があったとし、「名門であるザ・リッツ・カールトン東京であれば、これまで以上に私の料理を海外に発信できると考えた」と動機を説明します。
料理やコースを一新
宮崎氏の料理について、広報マネージャーの谷口謙一郎氏は「パティシエ出身ならではの繊細さを持ち合わせている。アートのような華やかなプレートは、ザ・リッツ・カールトン東京のお客さまにも気に入っていただけるはず」と自信を覗かせます。細谷氏は「酸味が特徴的で、後味がリフレッシュできるような組み立てに長けている。ハーブもスパイスも自由自在に操る」と加えます。
宮崎氏が料理長に就任して、料理やコースが一新されました。新しいコースのうちいくつかをご紹介しましょう。
アミューズ・ブーシュ
驚きを与えて楽しませるというアミューズの本来の目的通り、スイーツのような美しさで感嘆させられます。右から順番に、シフォンケーキに燻製クリーム、ビスキュイサンドとフワンボワーズビネガー、クリームチーズとジャンポンペルシーを挟んだガレットに、甲殻類エキス、ウニ、コンソメジュレ、枝豆ムースリーヌのヴェリーヌです。
蝦夷アワビ
蝦夷アワビ、大葉、レモンコンフィのタルタルです。サーモンをクリームにして絞り、「ソーモンブラン」スタイルと呼んでモンブランに見立てています。モンブランをイメージするあたりはパティシエ出身の宮崎氏ならではの感性でしょう。
ペリゴーフォアグラ
フォアグラはポワレとテリーヌの2つを楽しめて、宮崎氏のサービス精神の旺盛さが感じられます。ポワレはパンデピス風味にしたり、テリーヌは大根とオレンジのシートで覆ったりと、オリジナリティを与えています。
オマールブルー
「【ミシュラン/最高級食材】ピエール・ガニェールのオマール・ブルーづくしコースとは?」でもご紹介した、最高級食材の一つであるオマールブルーを使っています。
オマールブルーはマコモダケで包んでから焼いており、ストレスがかからないようにしています。パクチーのピュレを添えているのは、宮崎氏の独特なセンスです。
フランス産乳飲み仔牛「ヴォースーラメール」
ボルドーの仔牛です。乳飲み仔牛は全く雑味がなく、ミルクの香りもするという程の若さがあります。ソースはローストジュで軽いです。野菜のエクレアを添えているのも面白いところでしょう。
マンゴーデュオ
マンゴーのタルタルにカスタードとメレンゲを載せて、シブーストに仕立てています。黒胡椒のアクセントがちょっとしたサプライズです。
紳士淑女をおもてなしする
宮崎氏が以前料理長を務めていたオーグードゥジュール・ヌーヴェルエールといえば、モダンな味付けと高いセンスが高く評価されている、まさに「ヌーヴェルエール」=「新時代」に相応しいフランス料理店です。
一方で、ザ・リッツ・カールトンといえば、「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」というモットーが非常に有名で、人材採用では、そういったホテルの社風を理解しているかどうかや、その人物の素養がどうであるかを重視します。
新時代の料理を司ってきた宮崎氏が、ザ・リッツ・カールトン東京のメインダイニングで、どのようにして紳士淑女をおもてなしするのか楽しみにしたいです。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。