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ジョニデ離婚:アンバー、DVを詳細に語る。ジョニー側「彼女は早くお金をもらいたいだけ」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
接近禁止命令の申請のため裁判所を訪れたアンバー・ハード(写真:Splash/アフロ)

ジョニー・デップとアンバー・ハードの離婚が、早くも泥沼化している。米西海岸時間27日(金)午前、ハードは、デップから暴力を受けていることを理由に、裁判所に接近禁止命令を申請。それを受けて、デップ側の弁護士は、「彼女は、暴力を出すことで、早くお金をもらおうとしているだけ」とする反論を提出したのだ。

ハードは、顔にあざのある姿で裁判所に訪れ、嘆願書とともに、暴力を受けた証拠写真も提出した。嘆願書で、ハードは、「私は、自分とジョニーの安全をとても心配しています」と訴え、「アルコールとドラッグのせいで、彼は、現実がわからなくなるのです。彼が、長年、ドラッグとアルコールを使用してきたことは、公に知られてきました。彼は怒りっぽく、たびたび妄想に囚われます。彼が怒ると、ものすごく怖いのです」と述べている。ハードによると、15ヶ月の結婚期間中、彼がしらふだったことは、ほとんどないということだ。映画の撮影中だけは、シェフやトレーナーを雇って健康な状態になるが、撮影が終わると、また元に戻るのだという。ハードは、裁判所に、デップに対して52週間のアンガー・マネジメントの指導を受けさせるよう命令してほしいともお願いしている。

暴力を受けた実例として、ハードは、4月なかばと、離婚申請をする直前の5月21日の、ふたつの体験を挙げた。

4月の件については、「この日、私は、(L.A.ダウンタウンの家で、)家族や友人と、私の誕生日を祝っていました。みんなが帰ろうとしている時、ジョニーは、酔っ払って、ハイな状態でやってきました。みんなが帰った後、彼が私の誕生日のお祝いを欠席したことについて、私はジョニーと話をしました。それがひどい言い争いにつながり、ジョニーは、マグナムサイズのシャンパンの瓶を壁に投げつけ、私と床にワイングラスを投げつけたのです。ジョニーは、叫び、私を脅しました。数分後、彼は物を投げ落とし、近くにある物のほとんどを壊しながら、家を出ていきました。その後1ヶ月、私は彼の姿を見ませんでした」とある。

5月21日の件も似ている。

次に私が彼に会ったのは、5月21日(土)です。彼は、(L.A.ダウンタウンの)家に、夜7時15分ごろ現れました。彼は、酔っ払って、ハイな状態でした。最初、私たちは、リビングルームで、彼のお母様が亡くなったことについて、静かな会話をしました。カウチに座りながら、私は、彼をなぐさめようとしていました。が、突然、彼は、真実ではないあることに執着し始め、態度を変えたのです。彼は激怒し始めました。私は、彼の下で働く、信頼できる人に電話をして、彼の気持ちを鎮めてもらおうとしましたが、効果はありませんでした。

ジョニーは、激怒していました。私は自分の身が不安になり、隣に住んでいる友人ラクエルにテキストメッセージを送りました。彼女に、来てくれるよう頼んだのです。攻撃的で支離滅裂なことを叫びながら、ジョニーは、自分の妄想にもとづく不合理な非難を証明するため、私たちの友人ティレット・ライト(iO)に電話をしろと言いました。電話がつながり、私がスピーカーフォンにすると、ジョニーは携帯を私の手から取り上げ、iOを罵り、侮辱し始めました。iOが私に家を出るようにと言うのが聞こえると、ジョニーは、野球のピッチャーのように腕を回し、私に向かって携帯を投げました。それはすごい勢いで私の頬に当たりました。

私は顔を覆い、電話が当たった痛みのため、泣き始めました。ジョニーは、私に顔を見せろといい、本当に電話が当たったのかと疑い、罵りました。そして彼は私の髪を引っ張ってソファから立たせました。私は、まだ電話がつながっているiOに聞こえることを願いつつ、「警察に電話して」と叫びました。ジョニーは私に対して叫び、殴り、激しく顔をつかんだりしました。

以前渡していた鍵を使い、ラクエルが家に入ってきました。そのことに一瞬ジョニーが気を取られた隙に、私はジョニーから逃げました。私が家の反対側のほうに行くのをジョニーが追いかけてくると、ラクエルが私たちの間に入り、ジョニーにやめてとお願いしました。ジョニーは、彼女が(私を)守るために伸ばした手をひっぱたき、彼女に下品なことを言って、カウチに戻っていきました。ラクエルが私をかばうような格好で守ってくれる中、ジョニーは、ラッパ飲みしていたマグナムサイズのワインの瓶を振り回し、ありとあらゆる物を壊し続けました。

L.A.警察は、この夜、デップとハードの家を訪れている。L.A.警察のドン・グラハム警部によると、ある女性がニューヨーク警察に「L.A.にいるアンバーという友人が、夫ジョニー・デップから家庭内暴力を受けている」と通報してきたということだ。警察が駆けつけると、ハードはひとりで家におり、「言葉の言い争いだけだった」と言った。犯罪の証拠もなかったため、警察は、ハードに名刺を渡して帰っていったという。

この土曜日の事件の後、デップは、このことを黙っていてくれたらお金をあげると言ったが、ハードは拒否し、月曜日に離婚を申請したのだと彼女は述べている。ハードは、離婚が成立するまでの間の配偶者サポートとして月5万ドル(約550万円)を要求している。

ハードが接近禁止令を認められたのを受け、デップの弁護士ローラ・ワッサーは、同日、「彼女は、今週初めに離婚を申請したことでメディアからネガティブな反応を得ました。接近禁止命令と金銭の要求は、それを受けてのものと思われます」との意見を提出した。その手紙には、「アンバーは、ジョニーの母が亡くなった3日後に離婚を申請しました。ジョニーは母ととても仲が良かっただけに、このタイミングについて、メディアでは、多くのコメントが飛び交いました。ジョニーも、アンバーも、メディアで何と言われるかについてコントロールすることはできません」とある。彼女が要求する配偶者サポートについては、「双方は、まだ情報の交換もしておらず、すなわち、現段階で、裁判所は金銭面についての命令を出すために必要な情報をもっていません」と主張した。ワッサーはまた、ハードが「モデル、女優として活躍しており、生活できるお金を十分稼いでいます。彼女には、配偶者サポートやお金、財産を要求する権利がありますが、同様に、ジョニーにも、返事を準備するために必要な時間を要求する権利があるのです」とも付け足している。

ところで、昨年、許可と検疫を得ずしてオーストラリアに持ち込み、裁判沙汰にまでなった(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160526-00058083/)デップとハードの愛犬2匹はどうなるのかも注目されていたが、もともとピストルはハード、ブーはデップの犬だったため、それぞれが一匹ずつ引き取るようだ。ハードは、デップがピストルに近づけない命令も出してほしいと裁判所に要求していたが、犬の身に危険が及ぶとは思えないという理由で、拒否されている。

デップは現在、音楽活動でヨーロッパにいる。デップ本人は、離婚について何もコメントをしていないが、彼のパブリシストは、26日(木、)「この結婚は短く、ジョニーは最近母の死という悲劇に直面したばかりです。彼は私生活についての下品な作り話やゴシップ、間違った情報、嘘には応答しません。この短い結婚の解消が素早く行われることを望んでいます」と声明を発表している。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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