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京口紘人がダウンを奪いV2達成 ライバル王者拳四朗との対戦は来年か

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供すべて FUKUDA NAOKI

エディオンアリーナ大阪で、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチが行われた。

WBA世界ライトフライ級スーパーチャンピオン京口紘人(25=ワタナベ)と挑戦者同級1位久田哲也(34=ハラダ)が、お互いの出身地である大阪で激突。

京口は初の凱旋試合で2度目の防衛戦、久田は苦節16年で初の世界挑戦となった。

一進一退の攻防

試合開始のゴングが鳴ると、ファイタータイプの両者による激しいペース争いから始まった。

前に出る久田に対し、京口は頭を振りながらジャブと左のボディブローを打ちペースを掴んでいった。

しかし、2R目に久田の右のカウンターがヒットし、京口がよろける。

その後は一進一退の攻防が続き、お互いに拮抗したラウンドが続いた。

京口も久田が時折見せる、アッパーに手を焼いているようだった。

ファイタータイプには、アッパーは効果的だ。縦からのパンチは非常に見にくい。

前に出ようとした時にこのパンチを打たれると、ガードに専念しなければならないので不用意に出れなくなる。

京口を警戒させるのに十分なパンチだった。

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流れを引き寄せだ右のダブル

中盤になると久田の攻勢が目立った。

京口の倍以上の戦績を誇り、プロでの戦い方を熟知している。

ペースが久田に傾きかけた9R目に、京口のアッパーからのフックが入り久田がダウン。

このダウンがきっかけで、京口が再度ペースを取り戻した。

ダウンすると、採点で2ポイントマイナスになる。

見ている方も頭に残るので、勝敗を印象付けるのに有利だ。

取られた方は、ポイントで不利になるので、焦る気持ちも出てくる。

余裕が出てきた京口に対して、久田は焦りからか攻撃が雑になる。

京口が完全に流れを引き戻し、試合終了のゴングが鳴った。

3-0(115-112,116-111,117-110)の判定で京口が2度目の防衛に成功した。

勝負のポイント

京口にとって圧勝とはならなかったが、非常にいい経験を積めたのではないだろうか。

外国人との対決より、日本人対決の方が選手も気合が入る。

きつい試合を乗り越えることで更に成長するし、気持ちのぶつかり合いを制しての勝利は大きい。

プロではまだ14戦だが、臨機応変に戦い方を変える底力も発揮した。

今回の試合で勝負が動いたのは、ダウンを奪った9R目だった。

それまで、久田の前進に合わせて打ち合う場面が多かったが、このラウンドから戦い方を変えた。

ステップを多用して足を使いながらサイドに動いていった。久田も急に局面が変わり、やりづらそうにしていた。

それにより両者の距離が空いて、ダウンを奪った攻撃に繋がった。

気になる統一戦

試合後、京口は安堵の表情を浮かべていた。

ヒーローインタビューでは、「チャンピオンになってから初の凱旋防衛でモチベーションは高かったが、反省して次に精進します。次こそは面白い試合をする」と語った。

今後については、「ダメージがたまる試合だったので、少し休んで来年のビッグマッチに繋げたい」と話した。

現在、ライトフライ級は下記の王者が君臨している。

WBAスーパー 京口紘人(ワタナベ)

WBAレギュラー カルロス・カニサレス(ベネズエラ)

WBC 拳四朗(BMB)

IBF フェリックス・アルバラード(ニカラグア)

WBO エルウィン・ソト(メキシコ)

中南米の王者がひしめく中、WBC王者には6度防衛中の拳四朗がいる。

京口と拳四朗はアマチュア時代から、拳を交えるライバルだ。

期待される統一戦について、ワタナベジム陣営は、来年夏以降に対戦する意向もあるようだ。

拳四朗も意識するライバルとして、真っ先に京口の名前を挙げていた。

ライバルがいることで、選手の注目度も高まる。

お互いが成長し、ファンが望むカードの実現に期待したい。

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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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