「関西空港発天王寺行」の関空快速はレア!?1日4本だけの大阪環状線を回らない天王寺行
関西空港のアクセス列車群
関西の空の玄関口を担う関西国際空港。そんな関西国際空港のアクセスを担う代表的な列車は南海電鉄の特急ラピート号、そしてJR西日本の特急はるか号と関空快速だ。このうち関空快速は関西空港駅から大阪駅方面を結び終日15分間隔で運転されている。大半の列車は天王寺駅から大阪環状線へと入り、大阪駅に到着した後、そのまま大阪環状線を1周して天王寺駅を終点とする特徴的なダイヤで運行されている。最終的な行き先は天王寺駅であるものの、関西空港駅の電光掲示板では誤解を避けるためか「西九条・大阪」行と表示されている。
関空快速での大阪駅までの所要時間は1時間10分ほどで、特急はるか号の45分と比較するとやや時間がかかる印象は否めないが、特急はるか号が関西空港―大阪間の運賃1210円に加えて特急料金(通常期)1730円がかかることから、乗車券のみで乗車ができる関空快速はお財布にやさしい存在だ。なお、特急はるか号の終着は京都駅であるが、夜の2本は京都よりも先の野洲行として運行される。
なお、南海電鉄の特急ラピート号は難波行として運転されており、所要時間は40分。難波までは運賃970円に特急料金520円を合わせた1490円で乗車でき、JRの特急はるか号よりは割安な料金が設定されている。
1日4本だけの環状線を回らない天王寺行
こうした関西空港のアクセス列車群ではあるが、JRの関空快速には1日に4本だけ、大阪環状線を1周しない天王寺行となる列車が存在する。平日ダイヤであれば関西空港駅をそれぞれ、20時32分、21時00分、22時09分、22時50分に発射する列車で、土休日ダイヤでも同じ時間帯に同様の4本が設定されている。こちらは関西空港駅の電光掲示板にもしっかり「天王寺」行と表示される。
関空快速のうち、通常の大阪駅を経由して大阪環状線を1周して天王寺に向かう列車はは、天王寺駅の大阪環状線ホームである12・13番のりばで折り返しを行っているが、大阪環状線を1周しない天王寺止まりとなる列車は、線路が行止まりとなっている頭端式ホームが特徴の阪和線ホームへと到着する。関空快速が阪和線ホームへと到着するのは1日に4本しか見られないレアな光景だ。これは天王寺駅は構造的に大阪環状線を1周してしまうと阪和線ホームには入線できないためである。なお、関空快速は、関西空港―天王寺間の乗車であれば運賃は1080円となる。
大阪環状線を1周しない天王寺始発の関空快速については、朝5時台から8時台にかけて多数の設定があり、これらの列車も頭端式の阪和線ホームから発車している。
(了)