ジョー・スミス・ジュニア バーナード・ホプキンスを初めてKOしたライトヘビー級のシンデレラボーイ
Photo By Golden Boy Promotions
7月15日 カリフォルニア州 ザ・フォーラム
WBCインターナショナル・ライトヘビー級タイトルマッチ
王者
ジョー・スミス・ジュニア(アメリカ/27歳/23勝(19KO)1敗)
対
サリバン・バレラ(キューバ/35歳/19勝(14KO)1敗)
WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ミゲール・ベルチェル(メキシコ)対三浦隆司(帝拳)戦、WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ジェスレル・コラレス(パナマ)対ロビンソン・カスティジャノス(メキシコ)戦とともに、スミス対バレラ戦もHBOが生中継する。
知名度を引き上げたホプキンス戦のKO勝利
ーー2016年は3戦3勝3KOで、特に6月にアンドレイ・フォンフォラ(ポーランド)を1回KO、12月にはバーナード・ホプキンスを8回KOで下し、ボクシング界での知名度は大きく上がりました。あなたの人生も変わったと言えるのでしょうか?
JS:いや、そうでもないですね。僕の日々の生活は同じです。ただ、多くの人が僕に気づいてくれるようにはなり、気分が良いのは確かです。
ーー特にホプキンスをリングから叩き出してストップ勝ちしたファイトのインパクトは強烈でした。あの試合をどう振り返りますか?
JS:“レジェンド”と呼ばれる存在とファイトできたのだから、それだけで素晴らしい経験でした。そして、勝つことができた。僕のこれまでのキャリアでも最高の瞬間だったことは間違いないです。
ーー序盤から優位に進めているように見えましたが、思い通りの戦いができたのでしょうか?
JS:思っていた以上の戦いができました(笑)。タフなファイトの末に、判定までもつれこむことを予想していました。彼は本当に巧いし、ダーティな戦術にも秀でていますからね。そんな選手を8ラウンドにストップできて、非常に幸福でした。
ーー伝説的な選手に判定で勝つのは簡単ではないだけに、KOできたのは本当に大きかったですね。
JS:その通りですね。あとでスコアカードを見て、そう思いました。思ったより接っていたのを見て、「KOできて良かったな」と(笑)。判定までもつれ込んでいたら、勝てていたかは分からなかったですからね。
注/7ラウンド終了時でジャッジの1人は67-66でホプキンスがリードと採点。あとの2人は69-64、67-66 でスミスが優位とつけていた。
ーーこのフォンファラ、ホプキンス戦の以前から、ニューヨークのロングアイランドでは絶大な知名度を誇っていました。ロングアイランドを代表して戦っている意識はありますか?
JS:もちろん自分自身と家族のために全力を尽くしていますが、ロングアイランドのことも常に頭にあります。ロングアイランドにはそれほど多くのボクサーがいるわけではありません。僕の現在の立ち位置まで到達できた選手はごくわずか。地元を代表して戦い、支えてもらえていることを誇りに感じています。
バレラ戦後の相手はスティーブンソン?コバレフ?
ーーロングアイランドのナッソーコロシアムが改装され、新装後の第1回興行でWBC王者アドニス・スティーブンソン(カナダ)に挑戦する交渉が進んでいた時期もありました。実現しなかったことを残念に感じていますか?
JS:スティーブンソンに挑戦できるのを楽しみにしていたのは確かです。僕がすでにフォンファラをKOしたのに、その選手とスティーブンソンがリマッチをするというのは理解できませんでした。近いうちに対戦したいという気持ちも変わりません。そのためにもまずはバレラというタフなファイターに勝つことに集中したいと今では考えています。
ーー来月のHBO興行で対戦するバレラの印象は?
JS:馬力があり、アウトボクシングの能力もある選手ですね。経験豊富なベテランだけに、今回も何が起こっても対応できるように準備しておかなければいけません。ハードトレーニングを続けていますよ。
ーー今のライトヘビー級は層が厚くなっていますが、バレラ戦をクリアできたとしたら、その後は世界タイトル戦に照準を合わせる意向でしょうか?
JS:そう望んでいます。世界タイトルの獲得が僕の目標ですからね。タイトル戦が難しいのであれば、セルゲイ・コバレフ(ロシア)戦か、あるいはランキングでトップ5に入っている選手と戦いたいです。
ーー今では著名ボクサーの1人になりましたが、建設現場でも働き続けていることでも話題になっています。「AM5:30、6:00に起きて仕事を始め、夜にトレーニングする生活がゆえに精神的に鍛えられた」というコメントも読みました。
JS:現場の仕事は今は休みをもらい、フルタイムで重要なファイトに備えています。世界トップクラスの選手たちと戦うために、100%の力を注ぎ込まなければいけないですからね。ただ、戻ろうと思えばいつでも戻れます。早く世界チャンピオンになりたいですが、必要となれば建設の仕事もやっていくつもりです。
ーー今後のキャリアで何を成し遂げたいと考えていますか?
JS:とにかく世界チャンピオンになりたい。王者になって、お金を稼ぎたいですね。そして、家族とともに快適に暮らしていきたい。それだけですね。