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20代から60代の男性9割以上が保有する運転免許証取得費用って自分で出しました?

工藤啓認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

昨年、発刊した「若年無業者白書-その実態と社会経済構造分析」のなかで、若年無業者の運転免許証所持率を調査しました。

約2,000人程度ではありますが、運転免許所持率は全体で52.0%となっており、類型ごとの内訳として、「求職型」65.3%、「非求職型」47.4%、「非希望型」38.2%です。もともと何を知りたかったかと言えば、地方ではライフラインのひとつである車両と免許証ですが、仮説として、運転免許証取得については、大学入学時などに保護者から費用を出してもらって取得しているのではないか、というものがあります。

大学生や周囲に聞いてみても、圧倒的に自分で捻出した費用で取得しておらず、保護者に出してもらっています。ただし、これは私の周囲に限りがありますので、実際のところはわかりません。

平成25年度版交通安全白書では、男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率が出ています。

男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率
男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率

運転免許適齢人口(109,775)あたりの運転免許保有率は74.2%となっており、上図の通り、20代から60代では男性で保有者割合が90%を越えています。女性も20代から50代で見ると70%から90%が保有しており、非常に高い割合であると思います。

これだけ圧倒的多数が、自動車免許の場合、30万円前後の高いコストがかかる運転免許証を取得している一方、若年無業者の保有率は圧倒的に低くなっています。もともと車や免許に関心がないのでしょうか。それともこれだけのコストを自己負担または家庭が負担できない環境にあるのでしょうか。

私が知りたいのは、運転免許証取得費用を支払ったのは誰かということです。私自身は両親に出していただきました。とてもありがたかったです。

認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

1977年、東京都生まれ。成城大学中退後、渡米。Bellevue Community Colleage卒業。「すべての若者が社会的所属を獲得し、働くと働き続けるを実現できる社会」を目指し、2004年NPO法人育て上げネット設立、現在に至る。内閣府、厚労省、文科省など委員歴任。著書に『NPOで働く』(東洋経済新報社)、『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『若年無業者白書-その実態と社会経済構造分析』(バリューブックス)『無業社会-働くことができない若者たちの未来』(朝日新書)など。

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