今オフにFAのスラッガーは、球団に提示された7年1億5800万ドルの延長契約を断っていた!?
このままいくと、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、今オフにFAとなる。けれども、別の選択肢もあったようだ。ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンによると、昨年6月にメッツから7年1億5800万ドル(2024~30年)の延長契約を申し出られたアロンゾは、それを断ったという。
2019年のメジャーデビュー以来、アロンゾは、パワーを発揮してきた。各シーズンのホームラン(リーグ順位)は、2019年が53本(1位)、短縮シーズンの2020年が16本(3位タイ)、2021年が37本(3位)、2022年が40本(2位)、2023年は46本(3位)だ。今シーズンは、ここまでに10本のホームランを打っている。
先月27日には、200本塁打に到達した。デビューから数えて、710試合目だ。200本目のホームランを打った時点の出場試合がアロンゾより少なかった選手は、658試合のライアン・ハワード、671試合のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、706試合のラルフ・カイナーしかいない。
また、アロンゾのシーズン欠場は、最も多い2021年でも、10試合に過ぎない。
一方、守備は、平均あるいは平均未満だ。通算の出塁率は.339だが、昨シーズンは自己ワーストの.318。今シーズンの出塁率はさらに低く、200打席で.305を記録している。
これまでに一塁手が得た総額1億5000万ドル以上の契約――契約後に他のポジションから一塁転向の選手は除く――とアロンゾが断った契約を、総額の多い順に並べると、以下のようになる。
アロンゾの総額は、近年の2人、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)の8年1億6800万ドル(2022~29年)とフレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)の6年1億6200万ドル(2022~27年)を少し下回る。
契約1年目のシーズン年齢(6月30日時点)は、フリーマンが32歳、オルソンは28歳だった。アロンゾは、契約1年目となっていたかもしれない今シーズンが29歳。2人の間に位置する。フリーマンは、オルソンとアロンゾほどのパワー・ヒッターではないものの、シーズン30本塁打以上は3度を数え、出塁率は彼らより高い。アロンゾが提示された契約の年平均額は約2257万ドルなので、フリーマンの平均2700万ドルには及ばないものの、オルソンの平均2100万ドルを上回る。
今シーズン、アロンゾの年俸は2050万ドルだ。今オフのFA市場に出て、6年1億3750万ドルの契約を手にすると、2024~30年の総額は、メッツの提示と同じになる。7年1億5800万ドル-1年2050万ドル=6年1億3750万ドル、という計算だ。今シーズンのパフォーマンスとスタッツにもよるが、さらに上の総額(や年数)も、あり得なくはないだろう。
ただ、昨オフにFAとなった、ブレイク・スネル(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)、ジョーダン・モンゴメリー(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、コディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス=再契約)、マット・チャップマン(現ジャイアンツ)の4人、いずれもスコット・ボラスを代理人としていた彼ら――ジ・アスレティックのケン・ローゼンタール曰く「ボラス・ビッグ4」――は、誰一人として長期契約を得ることができなかった。4人とも、今オフに再びFAとなる可能性もある。モンゴメリーは、契約から1ヵ月経たずに、代理人をワッサーマンのジョエル・ウルフとニック・チャノックに変更した。
アロンゾの代理人も、ボラスだ。