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「四十代後半、五十代の大先生方の姿勢を見習って精進したい」永瀬拓矢王座(29)防衛後コメント(2)

松本博文将棋ライター

永瀬拓矢王座「(視聴者に)ご視聴いただきましてありがとうございます。自分としては、防衛という結果ができて、とても望外な結果と思っています。ただ内容としては課題が多かった印象があります。やっぱり厳しいので、棋力向上に努めて、また一年がんばっていきたいと思います。ありがとうございました。(木村九段の将棋について)一番内容がよかった1局目を、うまくアヤをつけて逆転までもっていかれてしまって。終盤の△9九角という手も、とても印象に残っていますので。1局目を見たら、一瞬だけこちらにチャンスがあったということですけど。気づいてないのでしょうがないんですけど。そういう中終盤の粘りというか、アヤのつけ方がとてもうまいのかなと思います。(自身が木村九段の年齢になったときのことを考えるか)しますね、それはやはり。やっぱりいまの四十代後半、五十代の先生方は、自分から見てですけど、まったく何十年も変わってない印象がありますので。やっぱりそういう大先生方の姿勢を見習って自分も精進したいな、というふうに思ってはいます。(48歳になったときにどういう棋士でいたい?)そうですね・・・(笑)。どういう棋士・・・。ええと。うーん。まあでも、いまの羽生先生や羽生世代の先生方が自分にとってはいいモデルというか。自分はこういうふうになりたいという棋士像みたいなものは徐々にできあがってきているので、それに近づけるように。逆算するかどうするか、ちょっとわからないんですけど、イメージしながら日々を過ごすというのはおかしいですけど、そうですね、イメージしたいな、とは思います。(王将戦リーグの抱負は?)次が豊島竜王とになりますので、近い日程で2局ついてるんですけど(A級順位戦が10月19日、王将戦リーグが26日)。一時期は(昨年の叡王戦七番勝負などで)かなり当たることができた相手なので、自分ががんばって、もう少し豊島竜王との対戦を増やしていきたいなと思います。(渡辺明名人、豊島将之竜王、藤井聡太三冠とともに『四強』と表現されることについては?)自分だけ結果がまったく出てない印象なので、まずは少し棋力向上・・・。うーん・・・。棋力向上に努めて、少しでもトップの方々に近づけるようにしたいなとは思ってはいます。たぶんレーティングかなり落としてるので、レーティングは徐々にあげていきたいなとは思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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