なぜリヴァプールは”105億円”でD・ヌニェスを獲得したのか?クロップの算段とマネの移籍騒動。
新たなエース候補が、到着しようとしている。
リヴァプールが、ダルウィン・ヌニェスの獲得を決めた。移籍金固定額7500万ユーロ(約105億円)+ボーナス2500万ユーロ(約35億円)でベンフィカと合意に至り、前線の補強を敢行している。
リヴァプールは2017-18シーズン、冬の移籍市場でフィルヒル・ファン・ダイクを獲得した。その時、支払った移籍金は8500万ユーロだった。その額を超えて、クラブレコードの移籍金になる可能性がある。
■3トップと序列の変化
D・ヌニェスは21-22シーズン、公式戦41試合に出場して34得点を記録した。ベンフィカのチャンピオンズリーグのベスト8進出に大きく貢献して、欧州の複数クラブの関心を引き付けた。
リヴァプールでは、マネ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノの3トップが長く不動の存在になっていた。ただ、2020年夏に移籍金4470万ユーロでディオゴ・ジョッタが、先の冬の移籍市場に移籍金4700万ユーロでルイス・ディアスが加入して序列に変化が訪れ始めた。
そして、現在、リヴァプールはサディオ・マネの去就が不透明となっている。マネはチャンピオンズリーグで準優勝に終わった後、退団を示唆するコメントを残していた。そのマネを、バイエルン・ミュンヘンが狙っているのだ。
「特徴としてはカバーニとスアレスに似ている。身長が高くて、フィジカルが強い。しかしヌニェスはハードワークを続けなければいけない。ポテンシャルは十分にあるのだから」とはディエゴ・フォルランのD・ヌニェス評だ。
また、ウルグアイのU-20代表でD・ヌニェスを指導したファビアン・コイト監督は「当時は(ひざの)負傷から復帰したあとで、自信を取り戻すのに苦労していた。彼自身、度々、サッカーを続けるか迷っていたとインタビューなどで明かしている。南米では、トップの選手になるために苦しんでいた。しかしながら、彼は素晴らしいフィジカルを備えていた。そこにゴールという結果が付いてくるのは時間の問題だった。そして、その通りになったんだ」と語っている。
「フィジカル面では、スプリントという点で、カバーニに似ている。一方で、あの攻撃性はスアレスのようだ。まるで爆弾だよ。スペースへのアタック、ストライドに、スピード...DFにとっては脅威だ」
リヴァプールは21-22シーズン、FAカップとカラバオ・カップで優勝を飾り、2冠を達成している。他方で、チャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリーに敗れた。プレミアリーグでは、マンチェスター・シティに勝ち点1差で優勝を逃した。
「我々は素晴らしいシーズンを過ごした。2つのタイトルを逃したが、それは本当にディテールの違いだった。プレミアリーグの1ポイント、チャンピオンズリーグの1ゴール。リヴァプールはクラブとして良い時期を迎えていると思う。我々は必ず戻ってくる。だがその前に、まずはシーズンの成功を祝いたい」
これはユルゲン・クロップ監督の言葉だ。
リヴァプールは先日、クロップ監督と2026年夏までの契約延長を行っている。その指揮官を満足させるため、D・ヌニェスの獲得を決めた。エディンソン・カバーニとルイス・スアレスを超える可能性を秘めた逸材が、プレミア屈指のチームで、名将の下、新たな挑戦に出ようとしている。