大谷4勝目の試合の影で起こった珍事。元世界一守護神が2日連続で先発登板
5月20日(日本時間21日)のエンゼルス対レイズ戦。エンゼルスは中6日で大谷翔平を先発のマウンドに送ったが、対するレイズは前日の試合で先発したセルジオ・ロモを2試合続けて先発投手に任命した。
ロモはサンフランシスコ・ジャイアンツ時代に、2010、12、14年と3度の世界一に貢献。12年のワールドシリーズでは守護神として3セーブを記録した。
2008年にメジャーへ昇格したときは中継ぎ投手だったロモは、19日の試合で初めて先発するまで588試合連続でリリーフ登板してきた生粋のリリーバー。メジャー初先発が589試合目と言うのは、歴代4番目の遅さだった。ちなみに歴代1位の639試合目で初先発したのは、2002年にエンゼルスがワールドシリーズを初制覇したときの守護神だったトロイ・パーシバル。メジャー通算703登板したパーシバルが唯一先発した試合は、セントルイス・カージナルスに所属していた2007年のことで、2009年にはレイズの一員として引退した。
メジャー初先発となった19日の試合では3者連続三振を奪い、1イニングを投げただけで降板。1イニングに全力を出すブルペン投手の真骨頂を見せた。
先発投手が1人も走者を許さずに、奪ったアウトが全て三振で降板したのは過去100年間の歴史で初の快挙だった。
20日の試合では初回に先頭打者のイアン・キンズラーに四球を許したが、その後は2つの三振を含む3連続アウトで無失点に抑える。続投した2回は、ザック・コザートを四球で歩かしたが、続くジェフリー・マーテから三振を奪い、1死走者1塁としたところで、28球を投げて降板した。
メジャーの試合で2試合続けて先発したのは、2012年7月7、8日の対ヒューストン・アストロズ戦に先発したザック・グレインキー(当時はミルウォーキー・ブリュワーズで、現在はアリゾナ・ダイヤモンドバックス)以来。この時はグレインキーが4球を投げた後、審判に退場処分を命じられ、翌日の試合でも先発登板。この試合は球宴前最後の試合でもあり、球宴休み明けの試合にも先発したグレインキーは、3試合連続先発登板となった。
1998年に誕生したレイズ(球団誕生時はデビルレイズ)では、2009年のオールスターゲームを挟んでジェームズ・シールズが2試合連続で先発したことはあるが、2日連続は球団初。
また、若手先発投手中心のレイズでは、19日の試合で35歳のロモが先発するまで603試合連続で30歳以下の投手が先発。35歳以上の投手が続けて先発するのは球団史上初のことで、35歳以上の投手が先発すること自体が、球団3282試合の中で94回(2.86%)しかない。レイズを退団時に36歳だった野茂英雄が去った2006年以降に限ると、1990試合中18度(0.90%)と非常にレア。
レイズで30歳以上の投手が2試合続けて先発したのは、2005年7月15、16日の野茂英雄(当時36歳)とマーク・ヘンドリックソン(当時31歳)以来のことだった。