Yahoo!ニュース

宮城県 台風が離れても土砂災害・川の増水・暴風・高波に警戒を

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
冠水し川のようになった国道45号苦竹IC付近(13日2時頃 著者撮影)

台風19号はきょう13日(日)4時現在、宮城県の沖合を北東へと進んでいるものと見られます。

13日3時気象庁発表の台風進路図(提供:ウェザーマップ)
13日3時気象庁発表の台風進路図(提供:ウェザーマップ)

移動速度は上がってきていて、台風に伴う活発な雨雲も宮城からは抜け始めています。きょう午後には晴れ間も出てくる見込みで、今回の大雨の峠は越えたと言ってもいいでしょう。

ただ雨が止んでも引き続き土砂災害などには厳重な警戒が必要です。

大雨特別警報は午前4時現在も継続中

今回の台風は中心の北側に活発な雨雲があったため、宮城県では非常に激しい雨が長時間にわたって降り続き、総雨量が記録的に多くなりました。

13日4時までの24時間降水量(気象庁ホームページより)
13日4時までの24時間降水量(気象庁ホームページより)

県南の筆甫では24時間の雨量が600ミリ近くに達するなど、県内のほぼ全ての地点で観測史上最大、または10月として観測史上最大の降水量を更新しました。まさに記録的大雨です。

土砂災害の危険度分布(提供:ウェザーマップ)
土砂災害の危険度分布(提供:ウェザーマップ)
洪水の危険度分布(提供:ウェザーマップ)
洪水の危険度分布(提供:ウェザーマップ)

この大雨によって宮城県の全市町村に大雨特別警報が発表され、午前4時現在もまだ解除されていません。

これは土砂災害の危険度、洪水の危険度が極めて高い状態が続いているためです。

これだけの大雨によって地面に染み込んだ水、川に注ぎ込んだ水はそう短時間では減っていきません。

雨が小降りになっても土砂災害、川の増水に厳重に警戒し、山・川には近づかないようにしてください。

風・波も残る

風の強い状態もきょう午前中は続きます。台風の中心が抜けたことで風向きが北西方向に変わり、強い状態が続いています。台風が離れていくのに従い弱まっていきますが、午前中は強い風に警戒が必要でしょう。

13日4時現在の風向風速(気象庁ホームページより)
13日4時現在の風向風速(気象庁ホームページより)

また海では波の高い状態が続きます。きょうの宮城県沖の波の高さは10mのち4mでうねりを伴う予想で、海は危険な状態が一番長く続くと言っていいでしょう。

13日午前9時の波の予想(提供:ウェザーマップ)
13日午前9時の波の予想(提供:ウェザーマップ)

嵐は去りつつありますが、引き続き気象庁からの警報・注意報が解除されるまでは油断せず、警戒を続けてください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

小杉浩史の最近の記事