西日本中心に線状降水帯発生環境6条件が揃う、夜中の雨雲発達具合には特に警戒を
梅雨前線のような秋雨前線
今夜16日(火)午後9時の予想天気図をみると、北海道に大雨をもたらした低気圧は東へ抜け、低気圧からのびる前線が東北から西日本の日本海側に沿って南下し、停滞するでしょう。
大陸からは非常に湿った空気が流れ込むため、前線の活動が活発な状態がしばらく続く見込みです。すでに立秋を過ぎ、お盆を迎えていますので、呼び名としては秋雨前線ということになりますが、まだまだ性質上は梅雨前線と呼ぶにふさわしいものです。
活発な雨雲が線状に
あす17日(水)にかけて、秋雨前線に沿うように活発な雨雲が次々と発生し、日本海側から北陸方面を指向する見込みです。この地域では、あす17日(水)にかけて、多い所では200ミリ以上の大雨が予想されています。(気象庁全般気象情報)
そして心配されるのが、この活発な雨雲の中で、線状に連なる一段と活発な雨雲が発生する可能性があるということです。
線状降水帯発生環境6条件が揃う
上図は少々専門的ですが、線状降水帯の発生環境をみたもので、雲の出来始める高さ、雲頂高度、上空の湿り具合、水蒸気の流れ込み具合、上昇流の強さなど、6条件について合致しているか計算されています。この中で、紫色の地域ほどその6条件に合致している、いわば危険度の高い地域とみることが出来ます。
この計算を動かすと、今夜16日(火)からあす17日(水)にかけて、西日本の日本海側から北陸地方などは、長い時間、6条件に合致した危険な状態が続く予想となっています。
注意したいのは、この6条件が出ているからといって、必ずしも線状降水帯が発生するわけではなく、むしろ発生しないことの方が多いのですが、発生する時はこの6条件の環境下となっていることがとても多いということです。
ですから、この6条件が出される地域や時間帯は、雨雲の発達具合、雨の降り方などに、いつも以上に気を付けた方がいいということになります。
そして今年はこれまでに気象庁からのべ12回の線状降水帯発生情報(顕著な大雨に関する情報)が出されていますが、この多くが明るい日中ではなく、夜から夜中にかけての暗い時間帯に出されています。
雨雲は明るい時間帯よりも、暗い時間帯に最も活発化する傾向がありますので、今後もこのような傾向を知った上で、避難するならば、出来る限り、見通しが利きやすい明るい内が賢明と言えるでしょう。
大雨警報級の可能性
上図は気象庁が発表している早期注意情報(警報級の可能性)です。
あす17日(水)は九州北部から北陸にかけて、警報級の可能性が[高]の所が目立っており、あさって18日(木)にかけても似たような状態が続きます。
ただ19日(金)になると、秋雨前線は弱まりながら南の海上へ南下していく見込みで、ようやく大雨と猛暑の同居型は一旦和らぐことになりそうです。