台風18号の北側の雲が週明けの沖縄に襲来
17、18、19と
令和3年(2021年)10月8日3時に南シナ海で大型の台風17号が発生したのに続き、12時間後の8日15時にはフィリピンの東海上で超大型の台風18号が発生しました。
台風には、強さの表現と大きさの表現がついているものがあります(表)。
大きさの表現は、平成12年(2000年)以降は、強風域(風速が15メートル)が500キロ以上800キロ未満の場合に「大型」、800キロ以上の場合に「超大型」とつけています。
めったに発生しない「大型」や「超大型」の台風ですが、発生した段階で、大型とか、超大型とかという強風域の広い台風というのは非常に珍しいことです。
その非常に珍しい台風が2個連続して発生しました。
そして、10日の9時には、ウェーク島近海で台風19号が発生しました。
こちらは、発生初期は強風域が小さく、次第に強風域が広がるという、一般的な台風ですが、大型とか、超大型になるまで強風域は広がらないのではないかと思います。
3日で3個発生というハイペースでの台風発生ですが、令和3年(2021年)は8月と9月に台風発生数が少なかったことから、これで、ほぼ平年並みの台風発生数です。
台風17号は、10日18時にベトナムで熱帯低気圧に変わりましたので、日本に影響はない見込みです。
また、台風19号は、南鳥島近海を北西進、のち北東進する見込みですので、台風からのうねりが入ってくる小笠原諸島近海をのぞいて、特に影響がない見込みです(図1)。
問題は、台風18号です。
変な構造の台風18号
台風18号が、フィリピンの東海上からバシー海峡を通って南シナ海へ進む見込むで、沖縄県先島諸島から少し離れて西進する見込みです(図2、タイトル画像)。
多くの台風は、中心付近に背の高い発達した積乱雲があり、ここで、多量の水蒸気が雨粒に変わり、その時に発生する熱をエネルギー源として発生・発達をしています。
ところが、台風18号は、中心部に高い積乱雲はなく、台風発生初期には、中心の東側や西側の少し離れたところに背の高い発達した積乱雲の塊がありました。
このため、強い台風にまでは発達しないものの、台風の周辺部で強風が吹き、強い雨が降るという、ちょっと変わっている台風です。
台風18号の東側にある発達した積乱雲の塊が、台風中心を反時計回りにまわりながら台風の中心に接近し、11日0時頃には台風の西側にきています(図3)。
そして、西側にあった発達した積乱雲の塊が東から北東側にきており、沖縄県先島諸島に接近中です。
台風19号は普通の台風とは違って、風や雨が強いのは中心付近ではありません(図4)。
少し離れたところの風や雨が強いということを頭に入れ、最新の台風情報等の入手に努め警戒してください。
タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供資料に筆者加筆。
図1、図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。