大阪名物「ねぎ焼」は昭和40年頃、お店を手伝う子供の為に母が作った山本家の賄食だった!
はらぺこライターの旅人間です。今回は”私が大好きな大阪名物”を一つ紹介しましょう。それは「ねぎ焼」。正しく言えば『ねぎ焼やまもと』の味だ。
“ねぎ焼” とは名前の通り、ねぎたっぷりのお好み焼きのこと。特製醤油とレモン果汁で食べる絶品グルメ。昭和40年頃にお店を手伝う子供の為に母が作った賄食だったとか。その誕生秘話について取材した。
大阪名物『ねぎ焼やまもと』本店へ
十三駅から昭和の赴きを残すアーケードを抜け、国道を渡るとスグに『ねぎ焼やまもと』の緑の看板が見えてくる。駅から歩いて約3分ほど。
大阪はコナモンの街として知られている。たこ焼き、いか焼き、お好み焼き…。色々あるが“ねぎ焼”は少しタイプが異なる。というのは前述の通り“ねぎ焼” は山本家(ねぎ焼やまもと)の味だからだろう。
ところが、巷で「ねぎ焼」をメニューに持つお好み焼き屋をチラホラ見かける。本家本物の味と何が違うのか?
そんな事を感じながら取材を申し込んだら、なんと『ねぎ焼やまもと』のレジェンドである三姉妹の次女、山本智子さんが応対してくれた。
彼女はこのマスコットマーク「ねぎ3姉妹」のモデルの一人。
真ん中だそう。似てる…かな。
誕生秘話!母親の味が大阪の味に
昭和40年頃、大阪の下町・十三の小さなお好み焼き屋で誕生した“ねぎ焼”は、お店を手伝う子供の為に母が作った賄食だったという。それを見たお客さんが「私にも」とリクエストしたのが全ての始まりなんだとか。
その後「ねぎたっぷりのお好み焼き」は「ねぎ焼」としてメニュー化され評判になって山本家の味は大阪の味として親から子へ引き継がれたのだ。
更に詳しく話を聞くと、山本さんが小学6年生の頃、学校から帰って来てから店を手伝っていたという。その当時はお好み焼き、たこ焼き、おにぎり、お茶づけがメニューの中心で、山本さんは「たこ焼き」を主に担当していたのだとか。
「たこ焼きもあったんですね」と聞けば「めっちゃ評判良かったんやで」と満天の笑顔で答えてくれた。しかし「ねぎ焼」がTVで何度も紹介されるようになると忙しさはピークとなり、たこ焼きに手が回らなくなってしまったと話す。
今回は一番人気の「すじねぎ」を注文した。
すると、パパパパパパパパッ!と作り始める。スピード感があるけど丁寧で何よりも無駄のない動きが美しい。
まるでライブのショーを見ているよう。ついつい見とれてしまう…。
「常連さんが来たら、この人は濃い味が好きやな~と思いながら作ったり、その人にあわせて一番美味しく作るようにしてんねん」と話してくれた。やっぱりベテランはスゴイ。
ちなみに、三姉妹は今でも現役で各店舗で焼いているのだとか。
知れば知るほど「ねぎ焼やまもと」が好きになる。
そして特製醤油を。この瞬間がたまらない!
会話中に「ねぎ焼は写真映えせえへんやろ〜」と言われた。
うむ…。確かに表面的な部分だけを切り取って見たらその通りかもしれない。しかし、この臨場感、この香ばしさ、弾けるような躍動感、味も含めて考えたら、とても写真や動画で魅力などは伝わるものではない。
特製醤油の後にレモンをギュッと絞って完成。
しかし、なぜレモンを?これは一番上のお姉さんのアイデアだそう。ねぎ焼はアッサリしてるから、サッパリを加えたのだとか。このひと手間が「ねぎ焼」の旨みをグレードアップしたという。
さぁ、目の前に到着した!
美味しいのは百も承知だけど…
改めて言うなら「いつ食べても斬新な味わい」だ。
想像と期待感を常に超えてくるフワフワ感。それでいて香ばしい口当たり、そこにネギの旨みとスジコンの甘みが重なってくる。「あぁ~、この味、この味」と唸ってしまう。やっぱり本物は違う。本当に美味い。
コテコテの関西弁に人情味ある話し方、そして繊細な味わい。私は同店の味が以前から大好きだが、取材して愛着が深まった。街を歩けば色々な所で“ねぎ焼”の名を見かけるが、ぜひ本家本物の味を体感して欲しい。やっぱり違う。尚、“ねぎ焼” は『ねぎ焼やまもと』の登録商標でもある。
ねぎ焼やまもと 本店
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目8-4
電話番号:06-6308-4625
営業時間:11:30~21:00
公式ホームページ(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:ねぎ焼やまもと 本店
今回は取材のため料理を提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。
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