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大物遊撃手の復帰により、台湾人内野手がDFAとされる。39試合で6本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ユー・チャン(ボストン・レッドソックス)Jul 22, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月8日、ボストン・レッドソックスは、トレバー・ストーリーを故障者リストから復帰させ、ユー・チャンをDFAとした。

 端的に言えば、遊撃手の入れ替えだ。

 ストーリーは、1月に右肘の内側側副靭帯の手術を受け、開幕から欠場していた。一方、チャンは、そう長い期間ではないものの、遊撃のレギュラーとしてプレーしていた。4月中旬から下旬に続き、左手の骨折による2ヵ月以上の離脱を挟み、7月上旬から再び遊撃の守備についた。

 ストーリーは、6年1億4000万ドル(2022~27年)の契約2年目だ。チャンは、メジャーリーグ5年目。これまで、90試合以上に出場したシーズンはない。

 今シーズンは、39試合で6本塁打。離脱前の2417試合と復帰後の22試合で、それぞれ3本のホームランを打った。ただ、どちらのスパンも打率と出塁率は低く、前者は.136と.174、後者は.180と.219。トータルは.162と.200だ。

 それでも、チャンを手に入れようとする球団はあるかもしれない。遊撃を筆頭に、内野4ポジションを守ることができ、守備は悪くない。年齢は、今月18日の誕生日を迎えても、まだ28歳だ。

 ちなみに、ベースボール・リファレンスによると、チャンの通算20本塁打は、台湾生まれの選手では最も多い。チャンの他には、3人が計4本塁打を記録しているだけだ。また、今春のWBCでは、4試合で2本のホームランを打った。

 一方、ストーリーは、2018~19年に2シーズン続けて、ホームランと二塁打のどちらも35本以上を記録した。両シーズンとも、ホームランの3分の2以上は「打者天国」のホーム、クアーズ・フィールドで打ったものだが、二塁打は、ホームとアウェーがほぼ半々だ。

 8月8日を終え、レッドソックスは、ア・リーグ東地区の最下位ながら、ワイルドカード・レースにおいては、ポストシーズン進出となる3番手まで、5ゲーム差の5番手に位置している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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