【京都市】下京区 左女牛井(醒ヶ井)〜京の名水の一つ〜源氏六条堀川邸内の井戸は源氏や千利休も愛用♪
京都には海がないと言われますが、実は地下水が豊富にあることで知られています。酒蔵や豆腐など名水が必要とされるものが京都の名品であるのは、この豊富で美味しい水にあります。
その京都の名水が出るお井戸が数々あります。
京都駅の周りだけでも、佐女牛井 (さめがい)、芹根水 (せりねのみず)、満仲誕生水 (六孫王誕生水)、天の真名井(あめのまない)、鉄輪井(かなわのい)など数多くの水が出る場所があります。
その中でも、左女牛井(醒ヶ井,さめがい)は京の名水の一つです。
佐女牛井 (さめがい)之跡は、京都駅からもそう遠くない場所にあります。
村田珠光が将軍であった足利義政(1436~90)に献茶した際に、この水を汲んだことでも知られています。
武野紹鴎(たけのじょうおう)や千利休(せんのりきゅう)、織田有楽斎(おだうらくさい)といった名茶人に愛用されたほどの名水です。
この辺りは源氏ゆかりの場でもあります。
源頼義(みなもと の よりよし 988~1075)がこの地に築いた源氏六条堀川邸内の井戸であったと伝わるそう。
源頼義は、平安時代中期の武士で源頼朝の父です。
頼義は、京都市南部の八幡(やわた)市にある男山の石清水八幡宮を篤く信仰しており鎌倉に勧請し、鎌倉の由比ヶ浜辺に祀り源氏の氏神としました。
その子であった源頼朝が現在の「鶴岡八幡宮」の基礎を作りました。
源頼朝といえば、「高津商会」の小道具展をいつも開催させて頂いている高雄山の「神護寺」さんの国宝「神護寺三像」の一つ「伝源頼朝」像が有名ですね♪日本の歴史の教科書に必ず載っているあの、頼朝像です!
参考→ 2022年秋キャンペーンに登場! 紅葉に包まれる神護寺
第二次大戦中に、堀川通の拡幅により消滅してしまった佐女牛井ですが、その場所があった場所には石碑が見られました。
四条醒ヶ井にある和菓子屋「亀屋良長(かめやよしなが)」は、京都では老舗のお菓子屋さんで根強い人気があります。
その社屋の改築時に、湧いた豊富な地下水を醒ヶ井と名付け、その水を使った和菓子は大変人気の高く美味しいですよ!
京都には地名にも「御池」「堀川」「今出川」「清水」など川や池などの水に関する名前が数多く残されており、どこも今でも愛されています。
天下一の名水と言われた左女牛井(醒ヶ井)の水の味を思いながら、京都の水を大切にしたいと思います♪
左女牛井之跡
京都市下京区堀川通五条下る西側