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今日は『ホンダにとって特別な、“シルバーのCB”』をテーマにお送りします。

個人的に、昔のAMAスーパーバイク(アメリカの国内ロードレース)のレーシングマシンが大好物な私。

ということで、今回はAMAスーパーバイクと関わりの深い市販車を１つご紹介しましょう。

ホンダ CB750F/900F

日本の二輪メーカー各社による開発競争が激化し始めた1970年代に、ホンダが“新世代CB”として打ち出したのが『CB750F/900F』でした。

“旧世代”である『ドリームCB750FOUR』がSOHC２バルブエンジンだったのに対し、CB-FではDOHC４バルブの新開発エンジンを搭載。

また、ホンダは他社ライバルモデルがエンジンスペックの向上とともに車重が増えていることに着目し、CB-Fの軽量化を徹底します。

軽量なアルミを用いたホンダ独自の『コムスターホイール』を投入するなどし、車重(乾燥重量)を228kg(900Fは232kg)に抑えていました。

同世代のカワサキ『Z750FX』の乾燥重量246kgと比べると、CB-Fの軽さを理解してもらえるのではないでしょうか。

AMAスーパーバイクとの関わりですが、ホンダはAMAスーパーバイクレースに参戦するにあたり、750Fの車体と輸出仕様である900Fのエンジンをベースにレーサー車両を製作。

そして、このAMA仕様のCB-Fをライディングしたのが、アメリカ人ライダーのフレディ・スペンサー氏でした。

スペンサー氏は当時まだルーキーだったものの、抜群のライディングセンスとテクニックを秘めており、1982年(昭和57年)のデイトナ100マイルレースではこのCB-Fとともにポールポジションからブッチ切りで優勝。

見事、ホンダへ“デイトナ初勝利”という記念すべき栄冠をプレゼントしたのです。

ちなみに、スペンサー氏が乗っていたレーサーCB-Fの車体色がシルバー基調にブルーの差し色(ライン)だったことから、このカラーリングは氏への敬意も込めて「スペンサー・カラー」と呼ばれるようになり、後のホンダ市販車にも積極的に使われるようになりました。