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愛子さま初めての単独地方公務へ これまでの内親王にはない、明確なメッセージ性とは? #専門家のまとめ

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
愛子さま(写真:毎日新聞社/アフロ)

愛子さまがお一人での初めての地方公務として、能登半島地震の被災地を訪問されることが発表された。

初の単独地方公務が被災地ご訪問であることは、「人々や社会の役に立ちたい」という愛子さまのお考えの延長線上にあるように思う。

では、これまで内親王の立場にある方が、初めてお一人で地方公務をされたのは、どんな行事だったのか?ご訪問の目的を通して、それぞれの方の公務に対する考え方が見えてくるはずだ。

ココがポイント

上皇ご夫妻の長女黒田清子さん(中略)神戸市で潜水調査船支援母船の命名・進水式に臨んだ

出典:47NEWS NNN 2023/12/10(日)

眞子さま、福岡市で記念式典に出席

出典:日テレNEWS NNN 2013/7/20(土)

山口県の造船所で海洋調査船の進水式に出席された秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さま

出典:テレ朝news 2015/6/07(日)

エキスパートの補足・見解

初の単独での地方公務は、黒田清子さん(当時、紀宮さま)と佳子さまはお二人とも、進水式へのご出席であった。進水式は船の誕生を祝うもので、銀の斧によって船首をつなぎとめている支え綱を切断する。

進水式は1811年に、イギリスのジョージ4世がその役目を女性にするよう決めたとされ、欧米では女性が行うことが慣例となっている。故エリザベス女王も多くの船の進水式に出席してきたこともあってか、日本では女性皇族が招かれる機会が少なくないようである。

また、眞子さんの初めての単独地方公務は、子どもたちの国際交流事業を行う記念行事に出席するためであった。皇族の中では年齢的に若いため、行事の趣旨に合うという判断だったと考えられる。

このように見ていくと、愛子さまの場合、これまでの内親王と大きく違うのは、お願いされた公務を果たすという受け身のスタンスでなく、「困っている人々の支えになりたい」という、ご自身の意思を反映したものだという点だ。

愛子さまは成年の記者会見で、

「『国民と苦楽を共にする』ということの一つには、皇室の皆様の御活動を拝見しておりますと、『被災地に心を寄せ続ける』ということであるように思われます」

と話された。愛子さまはそのお気持ちを、今回の初の単独地方公務という形で示されているように思う。

しかし、この記事を出した後、9月24日夕方に能登半島で起きた豪雨被害を考慮し、ご訪問の取りやめが発表された。今回は残念だが、きっと落ち着いた頃に訪問されることだろう。

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放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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