あの京都国際が早くも負けた! 報徳、大社、徳栄… 夏の甲子園出場校が早期敗退でセンバツアウトに!
夏の甲子園を沸かせた全国の強豪の「センバツアウト」のニュースが相次いでいる。ご存じのように、センバツに出るためには、地区大会に出場することが前提となっている。したがって、府県大会で敗れ地区大会出場を逃してしまえば、事実上、センバツへの道は絶たれることになる。とりわけ驚いたのが、夏の甲子園で初優勝した京都国際の早期敗退だった。
京都国際は前チームからのライバルに敗れる
京都国際はエースの西村一毅(2年=タイトル写真)が健在で、清水詩太(2年)、長谷川颯(2年)の内外野のレギュラー選手も残っていることから、レベルの高い近畿でも屈指の実力と目されていた。土をつけたのが、前チームからライバル関係にあった京都外大西で、昨秋も京都国際が1点差で敗れている。この時は決勝で当たったため、負けても近畿大会には出られる状況で、両校はそろって今春のセンバツに出場した。しかし今秋の対戦はまだ4回戦だったため、ここで敗れることは即「センバツアウト」を意味する。ちなみに両校は前チームでは、府下全ての公式戦で当たり、京都国際の2勝1敗だった。
西村は18奪三振も報われずセンバツアウトに
試合は1-1のまま延長タイブレークにもつれ込み、10回はともに無得点。11回に外大西が西村から2点を奪い、その裏を1点で切り抜けて、3-2で死闘を制した。実際に見ていないので深い言及は避けるが、西村は11回で被安打5の18奪三振。京都国際は延長も含め、7度も満塁のチャンスがありながら、決定打を奪えなかった。三振の数からしても、西村の投球に問題はなかったとみられる。京都国際が甲子園の頂点に立ったのが先月23日。ちょうど1か月で、センバツへの道が閉ざされたことになる。勝負の厳しさを痛感させられると同時に、夏の決勝での大敗(3-14)をリベンジした外大西のたくましさにも感服している。
兵庫では報徳、社、明石商が早期敗退
近畿では兵庫で波乱が相次ぎ、序盤戦から強豪が次々と敗れ去っている。まずは2年連続センバツ準優勝の報徳学園だ。高校日本代表に選ばれたダブルエースらが抜け、スタメンも1年生が過半数という若いチームで、西脇工に3-4で敗れて初戦(2回戦)で姿を消した。同じ週には明石商と社の公立2強も敗れていて、混戦模様に拍車がかかっている。今秋の近畿大会は兵庫開催で進行が早く、準決勝の組み合わせは、神戸学院大付ー三田学園、神戸国際大付ー東洋大姫路となった。この中から3校が近畿大会に進む。
大社や徳栄、金足農など注目校も敗退
全国に目を転じると、夏の甲子園出場校の早期敗退が目立つ。1回戦で報徳を破り、本大会で主役級の活躍をした大社(島根)が、県大会初戦の2回戦で津和野に敗れた。5点ビハインドから終盤に猛反撃し、1点差まで詰め寄ったが5-6での惜敗で、春の甲子園へ舞い戻ることはできなかった。また埼玉では浦和学院と花咲徳栄のライバル対決があり、浦和学院が4-1で、今夏代表に快勝した。興南(沖縄)は、県大会2回戦で公立のコザに0-1で敗れ、長野日大は、上田西に7-10で打ち負けた。吉田輝星(オリックス)の弟・大輝(2年)がエースの金足農は、秋田工に9回、決勝点を奪われ、秋田大会4回戦で惜敗した。兄が果たせなかったセンバツ出場の夢は破れたが、夏の2年連続出場をめざして頑張ってもらいたい。ほかにも今夏が甲子園デビューとなった新潟産大付、聖和学園(宮城)など、23日までに全国で今夏の代表14校がセンバツ絶望となった。
早期敗退は始動遅れが大きな要因
夏の甲子園出場校苦戦の最も大きな要因は、新チームの始動遅れだ。京都国際は甲子園優勝から丸1か月での敗退となったが、京都大会の決勝が7月28日で、外大西の上羽功晃監督(54)は敗退直後に、「今から練習」と話していたので、その日のうちに新チームが事実上、スタートしている。ほぼ1か月の経験の差は、この時期としては非常に大きい。秋の大会は週末に開催されることが一般的なので、「あと1週間あったら」と思っている監督も多いだろう。センバツは大きな目標で、喪失感はあるだろうが、夏一本に絞ってじっくりチームを鍛え上げるのもまた、高校野球の醍醐味である。