商標登録出願「前澤友作」はその後どうなったか?
ツイッターで前澤友作氏が「お金配りおじさん」を商標登録出願した件がトレンド入りしてました(参照記事)。
商標登録なのになぜか丸Cマークが付いているのはご愛敬です。指定役務が気になるところですが(まさか「金銭の配布」ではないでしょう)、まだ特許情報プラットフォームでは閲覧できません(出願が公開されるまでにはもう少し時間がかかります)。
この件で思い出しましたが、2018年に株式会社ZOZO名義で「前澤友作」という文字商標が出願されていました(商願2018-158986)(参照過去記事)。その後どうなったのでしょうか?
株式会社ZOZOから前澤友作個人に名義を移した後に、今年の2月6日付けで無事登録されていました。ただし、35類(広告、マーケティング、小売等関連)は、個人としての使用予定に疑義ありという拒絶理由が通知された(これは特許庁審査の標準プロシージャです)のに対して、あっさりと35類全体削除で対応したので、残ったのは第25類の衣服関連のみとなります。これにより、「前澤友作」ブランドのTシャツ等を製造販売する場合には前澤友作氏の許可が必要になります。何の意味があるのかと思われるかもしれませんが、何らかの争い事があった時の保険としての意義はあります。なお、英字表記の「yusakumaezawa」と「maezawayusaku」も登録されています(指定商品および審査経過は同じです)。
前澤友作氏本人が自分の名前を出願しているだけなので特に問題ないと思われるかもしれませんが、実は、人名とみなされる商標は(仮に自分の名前であっても)同姓同名者の許諾がないと登録できないという規定になっているので登録できない可能性もゼロではありませんでした(参照過去記事)。特許庁の審査運用では同姓同名の存在の確認にはタウンページを使用するのですが、前澤友作という名前は見つからなかったようです。名字由来netで調べると「前澤」という名字は全国で3400名くらいしかおらず、比較的珍しい「友作」というファーストネームで、かつ、タウンページ掲載を希望する人はいなくても当然と言えるでしょう。