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大福なのにシャリシャリ?!榮太樓總本鋪さんの「抹茶金時大福」は二種類のあんこを包んだ弾力抜群の大福

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

じんわりと汗ばむ日も増え、気温の上昇よりもじっとりとした梅雨の気配がもうすぐそばに来ているような予感が。

そんな時、曇天であろうともなんとなく冷たいものに惹かれることはありませんか?かき氷、アイスコーヒー…涼というよりも、爽快感を求めてしまうのでしょうね。けれどもデパートなどは冷房が効いていたり、アイスクリームやパフェも全て完食できる自信はない…。

榮太樓さんのロゴのデザインが好きなんです
榮太樓さんのロゴのデザインが好きなんです

1818年、東京都中央区日本橋にて創業なさった「榮太樓總本鋪」さん。素朴ながらも、おやつだけではなくどなたかに差し上げたりご進物用としても重宝する和菓子のラインナップが豊富な老舗の和菓子屋さんには、ちょっとユニークながらも間違いない組み合わせのおやつが先月下旬から販売されています。

今回は榮太樓總本鋪さんの「抹茶金時大福」をご紹介。

抹茶金時大福
抹茶金時大福

まるで氷を纏っているかのようなのに溶けないという不思議
まるで氷を纏っているかのようなのに溶けないという不思議

私、35年生きてきて初めて煌めく大福と出会ったような気がします。こちらの大福を覆っているのは氷餅と申しまして、搗き上げたお餅を水につけて乾燥させた保存食。一度搗いたお餅ですので、和菓子の装飾として(ゆべしなどの表面にももっと粒子の細かいものが塗されていますね)用いられることも多い食材です。その氷餅をたっぷり纏った大福は、まさにかき氷!食感もジャリジャリッ!という、餅肌を噛みしめた際にはまず縁のない音が心地よく鼓膜を刺激。

ケースよりも大きめなので、むぎっとしているところもご愛敬
ケースよりも大きめなので、むぎっとしているところもご愛敬

大きな口でしっかりと頬張り、軽快な刺激と共に噛みしめていくと、非常にお餅らしい芯のはっきりとした旨味と甘味がすぐに口の中一杯に広がります。榮太樓總本鋪さんのお餅には特徴があり、歯切れと歯ごたえ、弾力に富んだ食べ応え抜群の仕上がりです。

厚手のお餅でしっかり包まれているため、横から見るとぽよんとしています
厚手のお餅でしっかり包まれているため、横から見るとぽよんとしています

抹茶金時というだけあり、中のあんこは二重構造!薫り高く優雅な抹茶が大人っぽい抹茶餡はトロリとしており滑らか、そして大福の中核ともいうべき部分には素朴な粒餡が。二種類とも美味しいあんこではあるものの、印象が異なるあたりが抹茶シロップとトッピングのあんこという個性を発揮。

柔らかいのにそれぞれ独立しているのもすばらしいところ
柔らかいのにそれぞれ独立しているのもすばらしいところ

近年は中のあんこ主体のうっすらとした羽衣のような大福も増加しましたが、あくまでこちらは抹茶金時ではなく大福。抹茶金時というシーズンムード満載のテーマでありながら、表面の氷餅とぽってりとした厚みのあるお餅で二種類のあんこを包みこむことで、きちんと大福として成立しているような気が致しました。

周りに氷餅が付着しないようフィルムで包まれています
周りに氷餅が付着しないようフィルムで包まれています

深みや酸味の割合が均一なバランス型のホットコーヒーと頂きましたが、相性ばっちりでした!ひんやりではないけれど、気分はひんやり涼やかになれる…かもしれない、おやつの時間になりそうですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<榮太樓總本鋪・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区日本橋1-2-5
03-3271-7785
10時~18時
定休日 日曜・祝日

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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