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主な新興国/米国経済ニュース(10日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

米ネット競売大手イーベイ、2014年10-12月期と通期の利益を上方修正

米ネット競売大手イーベイ<EBAY>は先週末、1月22日に発表した2014年10-12月期(第4四半期)と通期の決算の純利益を修正したことを明らかにした。

それによると、10-12月期の純利益については、当初発表した9億3600万ドル(約1100億円)、1株当たり利益(希薄化後)75セントから10億2300万ドル(約1200億円)、1株当たり利益(希薄化後)82セントへ上方修正した。通期の純損益についても当初発表の4100万ドル(約49億円)、1株当たり3セントの赤字から一転して、4600万ドル(約55億円)、1株当たり4セントの黒字へ上方修正した。

同社は利益を上方修正した理由について、連結グループ会社間の内部取引に関連した法人税費用の引当金(Provision for income taxes)を調整した結果、10-12月期と通期の同引当金がいずれも8700万ドル(約104億円)過大に計上されていたとしている。修正前は、10-12月期は1億1800万ドル(約140億円)、通期は35億7200万ドル(約4250億円)の法人税費用引当金がそれぞれ計上されていた。

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米ベライゾン、3州の地域電話会社や通信塔を計1.8兆円超で売却へ

米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>は先週、テキサス州など3州で電話回線による通話とインターネット接続のサービスを提供している傘下の地域電話会社をフロンティア・コミュニケーションズに105億ドル(約1兆2500億円)で売却することで合意したことを明らかにした。売却は今年半ばまでに完了する予定。

これはベライゾンが固定電話とインターネットの事業から、年間売り上げ1270億ドル(約15兆円)の69%を占める携帯電話事業にシフトすることを意味する。売却される地域電話会社はテキサス州のほか、カリフォルニア州とフロリダ州の3州で、この結果、ベライゾンは全体の19%に当たる370万人の通話サービス利用客を失い、同社の地域電話サービスは大西洋沿岸中部と北東部の9州に縮小することになる。

また、地域電話会社の売却にはインターネット接続サービスなども含まれているため、光ファイバー回線網「フィオス(FiOS)」を利用した接続サービスについては、ベライゾン全体の26%に当たる160万人の利用者や全体の21%に当たる120万人のビデオ視聴者も失うことになる。

このほか、ベライゾンは携帯電話用通信塔運営大手アメリカン・タワーにベライゾンが保有する携帯電話用通信塔1万1300基の独占使用権を50億ドル(約6000億円)で売却することでも合意した。

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ロシア、政府支援対象の戦略的重要企業199社をリストアップ

ロシア経済発展省は8日、西側の対露経済制裁や原油価格の急落で国内経済がリセッション(景気失速)に入る可能性が高まる中、政府資金の注入を優先的に受けられる戦略的に重要な主要企業199社をリストアップした。モスクワ・タイムズ(電子版)などが伝えた。

同省によると、この199社の利益だけでロシアのGNP(国民総生産)の7割、国全体の雇用者数の2割を占めるという。

この中には国営天然ガス大手ガスプロムや石油大手ルクオイル、国営石油最大手ロスネフチ、天然ガス生産大手ノバテク、石油パイプライン建設大手トランスネフチなどのエネルギー企業を始め、食品スーパー最大手X5リテール・グループやハイパーマーケット(郊外型の大型スーパー)チェーン大手レンタなど小売り大手、肥料大手アクロンや国営ダイヤモンド生産最大手アルロサ、金属大手ノリリスク・ニッケル、携帯電話大手ビンペルコム、携帯電話大手メガフォン、鉄鋼最大手のセベルスタルとエブラズ、農業関連大手ルスアグロ、アルミ地金世界最大手UCルスアル、国営トラック・バス大手カマズ、鉄鋼・石炭大手メチェル、国営原子力企業ロスアトムなどが含まれている。

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米JPモルガン、タイの今年の成長率を4.2%増と予想―原油安の恩恵で

米金融大手JPモルガン・チェース<JPM>傘下の米大手証券JPモルガン(アジア太平洋)は、今年のタイのGDP(国内総生産)伸び率が原油価格の下落の恩恵を受けて4.2%増と、堅調になるとの見通しを明らかにした。地元紙バンコク・ポスト(電子版)が9日に伝えた。

同証券によると、インフラ整備のための公共投資や原油価格の下落で消費活動が活発化し、景気を押し上げると予想している。同証券のアジア新興国市場担当のアドリアン・モワット主席ストラテジストは、「タイは原油輸入国で、中国やインド、インドネシア、フィリッピン、トルコと同様に原油安の恩恵を受ける新興国だ」と指摘する。その上で、同氏は、「今年の新興国の株式市場のリターンは15%になると予想しているが、タイ市場はその数値を超える。タイは過去5年間で平均19%のリターンを上げており、この傾向が続く」とし、タイの株式相場が活況を維持すると見ている。

また、同氏は、タイ中央銀行は今年、景気を刺激するため、政策金利である翌日物レポ金利(現在2%)を0.25%ポイント引き下げると予想している。

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ブラジル中銀週報:2015年GDP見通し、ゼロ%へ下方修正―6週連続

ブラジル中央銀行が9日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2015年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比0.03%増から0%へ下方修正された。下方修正は6週連続。1カ月前の予想は0.4%増だった。また、2016年のGDP伸び率見通しは前週予想の同1.5%増のまま据え置かれた。1カ月前の予想は1.8%増だった。

また、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2015年は前週予想の前年比7.01%上昇から7.15%上昇へ下方修正(悪化)された。下方修正は6週連続。1カ月前の予想は6.6%上昇だった。2016年の見通しは前週予想の5.6%上昇のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は5.7%上昇だった。

一方、2015年末時点の政策金利の見通しは前週予想の12.5%のまま据え置かれた。据え置きは9週連続。1カ月前の予想も12.5%だった。2016年末時点の見通しも11.5%のまま据え置かれた。据え置きは6週連続。1カ月前の予想も11.5%だった。3月3-4日の次回金融政策決定会合時点での政策金利の見通しは12.5%のまま据え置かれた。据え置きは8週連続。1カ月前の予想も12.5%だった。

為替レートの見通しは、2015年末時点の対ドルレートは前週予想の2.8レアルのまま据え置かれた。据え置きは6週連続。1カ月前の予想も2.8レアルだった。2016年末時点の対ドルレートも2.9レアルのまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は2.83レアルだった。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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