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サンウルブズはホーム全敗&最下位決定。背景は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
オーロラビジョンに映るのは、序盤戦で離脱したクレイグ・ミラー共同キャプテン。(写真:アフロ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から挑むサンウルブズは6月1日、東京・秩父宮ラグビー場でオーストラリアのブランビーズとの第16節を19―42で落とした。これで今季の国内戦は6戦全敗。ここまでの戦績は2勝12敗で、リーグ戦全15チーム中の最下位が確定した。

 試合後、スコット・ハンセンヘッドコーチ代行とヘイデン・パーカーゲームキャプテンが会見。所定の制限時間が近づくなか、ハンセンが「きょうは最後だから質問は全て受け付けるよ」と口にするシーンもあった。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今季ブランビーズは全スコッド37名。サンウルブズは53名。不運な怪我もあり、チームをまとめるのが難しかったのでは。

ハンセン

「たった53人だけですか? サンウルブズはユニークなチーム。言い訳をしないという点も含め、ユニークなチームです。メンバーが入れ替わるなかいい姿勢で挑んでくれて、お互いのため、ファンのために戦っている。ただ、コンビネーションの部分は難しいところは正直ありました。付け加えれば、サンウルブズ以外のチームでは選手から『今週はどのポジションですか』という質問が飛ぶことはありえない。ユニークだと思います」

パーカー

「ハンセンが言ったように、スコッドの多さによる難しさもあります。ただ他チームは練習後に家へ帰っているなか、我々は毎晩皆で同じホテルで過ごし、すぐに団結しています」

――シーズン終盤にいいパフォーマンスができないわけはどこに。

パーカー

「やはり毎週、選手が出たり入ったりするなかで難しくなることはあったが、選手たちのことは誇りに思います。12敗のなか満員のサポーター。サンウルブズにとってはクールな環境です」

――これからツアーに行かない選手は出るのか。

ハンセン

「遠征メンバーについてはメディカルと話し合うなどして決めます。まだ決めていない」

――相手はバックスも参加させたモールで3トライを奪いました。サンウルブズはどう対処しようとしたか。

パーカー

「フィールド上でも私もモールへ頭を突っ込みましたが、バックスが(相手のモールを止めるのに)どうやったらいいかわからなかったところもありました。ブランビーズさんはモールがいい。セットされたら止めるのは難しい」

ハンセン

「ブランビーズはモールが得意だとわかっていましたが、そこまでに繋がる規律が問題。ペナルティーを犯して、タッチを蹴られて…。そこを修正していけばこんな事態にならなかった」

――コンビネーションの難しさ。どこで感じたか。

ハンセン

「コンビネーションのなかでお互いのプレーを理解する部分が難しかった。試合に向けてそこを組み立てていくのだが、翌週もそこを理解しながら組み立てたい。

 会見を終える前に一言。まずはありがとうを言いたいです。大変なシーズン、サポートしてくれてありがとうございます。メディアの方も凄く親切に接してくれた。サンウルブズのサポーターはスーパーラグビーで一番だと思っています。残りのシーズンも、その人たちのためにいい結果を残したいです」

 トニー・ブラウンヘッドコーチは、アタックコーチを担う日本代表が6月から合宿をおこなうためチームを離れている。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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