ロッテ日本一戦士や上田剛史、人気YouTuber、世界を渡り歩いた選手らの豪華チャリティーマッチ開催
2020年12月5日、神奈川県のサーティーフォー相模原球場で第10回東日本大震災復興支援チャリティーマッチが行われた。日本人初となるMLBツインズ傘下のマイナーリーグ監督を務めている三好貴士氏(ガルフ・コーストリーグ・ツインズ)が代表を務める一般社団法人All Nations Baseballが開催。10回目となる今回は海外や日本のリーグにてプレー経験のある選手や元選手を集めたAll Nations(オールネーションズ)が人気野球YouTuberであるクーニンさんを中心としたクーニンズと対戦した。
このイベントは、2011年3月11日の東日本大震災で津波により命を落とした岩手県陸前高田市の被災者遺族の友人だった横浜商高・李剛監督と三好氏に親交があったことから生まれ、野球道具や寄附金を送る活動、現地での野球教室も行ってきた。そして今回のチャリティーマッチは10回目を迎えた。
そんな節目となる試合は初回、All Nationsの先発である西嶋一記投手(元ドジャース傘下)からクーニンさんがレフトスタンドに先頭打者本塁打を放ち、いきなり盛り上がりを見せた。
それでもAll Nationsは3回に米独立リーグで長年活躍する安田裕希内野手の三塁打を皮切りに同点に追いつくと、5回には中村一生外野手(元中日、オリックス)、橋本将捕手(元ロッテ)、田久保賢植内野手(チェコなど世界6カ国でプレー)、肥田貢次内野手(元BCリーグ群馬)、安田内野手のタイムリーなどで一挙7得点を挙げて勝ち越し。さらにその後も6回に中村太一内野手(米独立リーグ・ロズウェルインベーダーズ)、肥田内野手、安田内野手のタイムリーで3点を挙げるなど得点を重ねていった。
投手陣は先発・西嶋の後を継いだ星野真澄(元巨人)、北川智規(元オリックス)、山本淳(元西武)、島内博史(元カナダ・トロワリビエール・セインツ)、大島崇仁(元関西独立リーグ・神戸、三重)、荻野忠寛(元ロッテ)、藤田宗一(元ロッテ、巨人、ソフトバンク)と繋ぎ、最後は元ロッテの守護神として活躍しMLBインディアンスでもプレーした小林雅英投手が2点を失いながらも試合を締めてAll Nationsが15対4で勝利した。
試合後には小学生たちとの野球教室やファン交流会が行われて大盛況のうちにイベントは終わった。
この入場料やグッズの収益は被災地の自治体に寄付される。三好氏は「最初は河川敷から始まったイベント。数年前から地元・相模原でこうして行わせていただき、今回はこんなに凄いキャリアの方々も来てくださって感無量です」と感慨深く語った。
今回で節目の10回目を迎えたが、今後も継続していきたいと考えている。
「ここまで続けて来られたのは、無償で他の仕事をしながらも参加してくださる皆さんのおかげです。こうやって話をしたり、イベントをすることで日常や当たり前にできていることの大切さや防災意識が風化しないようにしていけたらと思います」
国内外様々な場所で必死に野球を続けてきた選手たちの集まりなだけに、野球で生まれたこの絆をより強く、より広く結んでいきたいという熱気に満ち溢れていた。
文・写真=高木遊