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現役のプロ心理カウンセラーが教える「対人恐怖症とは何か? その正体と克服法」

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「対人恐怖症」というテーマでお話したいと思います。

実は、対人恐怖には2種類あります。
ひとつめは、単純に人が怖いというものです。
ふたつめは、人から嫌われるのが怖いというものです。

上記のふたつは似て非なるものです。
このあたりが対人恐怖症の興味深いところです。

たとえば、ゴキブリ恐怖症の人は1種類しかありません。
ゴキブリが怖いのであって、ゴキブリから嫌われるのが怖いという人は、まずいません。

話を戻します。
通常、対人恐怖症というと、ふたつめの人から嫌われるのが怖いという人を指します。
対人場面で、必要以上に不安や緊張が生じて、「相手から嫌われるのではないか?」「相手に不快感を与えるのではないか?」と考え、対人関係から身を引こうとする神経症=ノイローゼの一種、それが対人恐怖症です。

ここで皆さんに知っておいて欲しいのですが、誰もが少しは対人恐怖症です。もしも、「少しも人が怖くない!」と仰る人がいたら、それはそれで、ちょっとまた変です。
ただ、病気レベルの対人恐怖症の人は、人から嫌われるのが怖くって、極端に人を避けようとします。そのため、社会生活が立ち行かなくなります。それが問題です。

赤面恐怖症も表情恐怖症も視線恐怖症も醜形恐怖症も会食恐怖症もガス・おなら恐怖症も、対人恐怖症の一種と言われています。

私のカウンセリングルームにも対人恐怖症の人は訪ねてきます。
今も昔も対人恐怖症の人は大勢ご来室されます。

続いて、対人恐怖症の治し方ですが、
人から嫌われるのが怖くて、神経症になっているわけですから、「自分は人から嫌われるわけがない」と思うことが出来れば、対人恐怖症は良くなります。
次に、「たとえ人から嫌われても、自分は生きていける」と開き直ることが出来れば、対人恐怖症は良くなります。

健康な人、対人恐怖症でない人は、上記の2つを適度に持っています。「自分は人から嫌われるような人間ではないし、たとえ自分を嫌う人がいたとしても、自分は自分で生きていける」という感覚です。

よって、対人恐怖症は、自己肯定感を高めれば良くなります。
1人でも生きていけるという強い気持ちを持つことが出来れば良くなります。
あと、対人恐怖症の人は、意識が自分に向き過ぎなところがあります。人が自分のことなど何とも思ってないのに、自分は人からどう思われているか、延々と考えるのです。

1.自分に自信を持つ。
2.人から嫌われても生きていけると思う。
3.人は自分になど関心がないということを知る。
4.人を避けずに人と関わっていくようにする。
上記の4つが適度に出来るようになったら、対人恐怖症は良くなっていきます。

あと、対人恐怖症には、お薬も有効です。
お薬は対症療法にしか過ぎませんが、お薬を使ってでも、人とうまく接することが出来るようになれば、症状は回復に向かいます。

ご安心ください。
お薬は、対人恐怖症が良くなっていけば、徐々にやめていけます。
「ひとりで克服するのは難しい、症状が深刻だ」と仰る人に対しては、お早めに精神医学に詳しいカウンセラーの許を尋ねることをおススメいたします。

というわけで、今日は、「対人恐怖症」というテーマでお話しさせて頂きました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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