横浜高校1・2番コンビやドライチ右腕の兄などが千葉独立新球団に集結しNPB目指す
2023年1月14日、今年からプロ野球独立リーグのベイサイドリーグ(詳細後述)に参戦する株式会社千葉県民球団が船橋市で球団設立記者会見を行い、チーム名「千葉スカイセイラーズ」の発表とともに監督・コーチ・選手たちの陣容を発表した。
チーム名の由来は、「さらなる大舞台へ羽ばたいて欲しい」という“スカイ=空”に古くから港があった船橋市で活躍してきた“船乗り=セイラー”から取られたという。
チームは昨年、濱将乃介(内野手/中日ドラフト5位指名)と野村和輝(内野手/西武育成ドラフト1位指名)と2人のNPB選手を輩出した日本海オセアンリーグから派生したベイサイドリーグで神奈川に拠点を置くYKSホワイトキングスとリーグ戦を戦う。
この他、昨年まで日本海オセアンリーグを戦い今季から業務提携を結ぶ「日本海リーグ」の石川ミリオンスターズ、富山GRNサンダーバーズとの交流戦、NPB球団などとの交流戦も行い、1試合でも多い実戦機会を与え、選手たちの成長を促していく予定となっている。
初代メンバーとなるのは27選手(今後、追加予定)。この会見では一人ひとりの自己紹介も行われたが、その中で明確に「NPB」という目標を掲げたのは3選手。それぞれの武器を問われると「緩急や多彩な変化球」(投手・熊田稜)、「強い気持ちと姿勢」(捕手・坂本竜三郎)、「勝負強い打撃」(内野手・山﨑拳登)と答えた。
この中でもアマ時代の実績が豊富なのは山﨑だ。中学硬式野球の名門・中本牧シニアから横浜高に進学し、1年秋から三塁手のレギュラーとして活躍。福永奨(オリックス)増田珠(ソフトバンク)万波中正(日本ハム)及川雅貴(阪神)遠藤圭吾(ボートレーサー)らと甲子園を戦った経験を持つ。
昨秋の明治神宮大会で準優勝まで躍進した国学院大でも1年春から出場し3年春の開幕戦では5番・三塁手で先発出場を果たした。しかしそのシーズンに右肩を痛めて12月に手術。大学4年時は、その影響で不完全燃焼に終わった。肩については「4月に間に合うようにトレーニング中です」と話しており、再起への思いは強い。
横浜高時代に山﨑と1・2番を組んだ1学年下の小泉龍之介(外野手)もいる。小泉も福井の鯖江ボーイズ時代に全国優勝を果たしており、横浜高でも1年時からベンチ入りし活躍。ミキハウスを経て昨年は福井ネクサスエレファンツでプレーした。
この他にも、中央大2年秋に東都大学野球の最優秀投手とベストナインに輝いた右腕・後藤茂基や一昨秋の中央学院大の明治神宮大会優勝メンバーである右腕・上原諒大、さらには一昨秋ドラフト1位指名を受けた風間球打(ソフトバンク)の兄である外野手兼捕手・風間球星もおり、彼らもまた「NPB入り」という目標に向けて心血を注ぐ。
そして、杉山慎球団代表取締役はNPBへの選手輩出のみならず、地域密着や未来を担う子供たちへの支援についても構想があり、ジュニアチームの設立や中学校部活動との連携、高校中退者などの受け入れなども視野に入れているという。
野球熱の高い千葉県で新球団がどのような役割を果たしていくのか注目だ。