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気持ちを切り替えて第3戦に臨むヤングなでしこ(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
スペイン戦翌日の練習は、活気あふれる雰囲気の中で行われた(C)松原渓

スペイン戦翌日の練習は、活気あふれる雰囲気の中で行われた。決勝トーナメント進出に向け、日本は敗戦から切り替えて20日のグループリーグ第3戦、カナダ戦に臨む。

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【選手コメント(17日、18日練習後)】

北川
北川

DF 北川ひかる(17日練習後)

ーー改めて、スペイン戦を振り返っていただけますか。

U-17(女子ワールドカップ)の時のスペインとは全然違う感じがあって、個でも強くなっていたし、スピードの面でもすごく上がっていて、その対応がうまくできず、焦ってしまいました。自分が予想していた以上のことをされたという印象が強くて、準備が足りなかったと思います。

ーーCKからの惜しいヘディングシュートもありましたね。

あのシュートをしっかり決めていれば流れも変わったと思いますし、あのシーンで責任を果たせなかったところは課題です。それを踏まえて、次に切り替えて、次のチャンスがあれば絶対に決めたいです。

ーー試合から一夜明けて、チームの雰囲気はどうですか?

自分達の年代は、こういう経験(敗戦)をしていなかったので、どうしたら良いのか、試合後は戸惑っていましたが、年上の人たちはすごく冷静でした。落ち込んでいる時に声をかけてくれたり、行動で見せてくれるので、雰囲気は立て直せています。まだグループリーグですし、スペイン戦をいいきっかけに、これからの試合は勝とうと意識を切り替えました。

羽座
羽座

DF 羽座妃粋(17日練習後)

ーースペイン戦から一夜明けて、チームの雰囲気はいかがですか?

試合が終わった後は、チーム全体として切り替えようという雰囲気があって、キャプテンの(乗松)瑠華や、(杉田)妃和がチームを引っ張ってくれて、試合に出ていなかった選手も、みんなが切り替えてやっていこう、と声を掛け合っていました。

ーー試合を振り返って、どんなことが反省点としてあげられますか?

スペインの10番がキーマンであることは試合前から分かっていて、そこを潰せるかどうかで試合の流れが大きく左右する、というのは分かっていたのですが、どうしても止めきれずに、ズルズル抜かれてしまったことをすごく反省しています。

失点の場面では、しっかり、体ごといかなければいけなかったという後悔もありますし、次に生かさなければいけないと思っています。

ーー今後はどのようなプレーでチームに貢献したいですか?

自分の強みは球際の強さだと思っていますが、昨日はファウルを取られてしまうシーンがありました。今後はファウルに気をつけながら球際でもしっかり勝って、チームに流れをつけられるようなプレーをしたいです。相手をスピードに乗らせないことや、駆け引きで、ボールを触らせず、相手が嫌がるプレーをどんどんしていきたいと思います。

守屋
守屋

DF 守屋都弥(17日練習後)

ーースペイン戦はベンチから見ていて、自分が出たらどんなプレーをしたいとイメージしましたか?

ナイジェリア戦では、あまり前に行けなかったので、スペースに出たら、もっと挑戦していきたいと考えていました。試合に出られなくて悔しい気持ちもありましたが、試合では一番コンディションの良い選手が出ていると思うので、次に向けてしっかり準備をしてきたいです。まだアシストもしていませんし、今後はサイドでの攻撃的な姿勢を見せて、アシストもしたいです。

ーーチームの雰囲気はどう変化していますか。

落ち込んでいるというよりは、次に向けてしっかり切り替えられていると思います。一人でも落ちている子がいたらみんな落ちてしまうと思いますが、それぞれが盛り上げて、みんなが同じ方向を向けていると思います。

ーーワールドカップの舞台に立ってみて、どうですか?

自分はこれまでに世界を経験していなくて、国内だけだったので、雰囲気も全然違います。世界に通用することは少ないかもしれませんが、それでも自分がやれることを積極的に出していきたいと思います。

市瀬
市瀬

DF 市瀬菜々(18日練習後)

ーーパプアニューギニアに来て一週間以上が経ちましたが、印象は?

バスに乗っていても、通りがかった人が手を振ってくれます。ご飯も美味しいですし、ホテルの方も親切で、とても快適に過ごしています。暑さにも徐々に慣れてきました。

ーーチームとして修正していきたいところはどんなところですか?

スペイン戦は、自分たちのサッカーができなかったこともあって、反省するところがたくさんあったんですが、切り替えて次の試合は絶対に勝って、この負けをいい方向に変えていきたいです。カナダ戦は、相手のフィジカルが強くてもパスで相手を崩せるようなサッカーをしていきたいです。自分たちの持ち味であるポゼッションを生かして、得点をいっぱい取って勝ちたいです。

三浦
三浦

MF 三浦成美(18日練習後)

ーーパプアニューギニアの印象はいかがですか?

地元の方々が温かくて、持っていたイメージと少し違いましたが、毎日嬉しい気持ちで過ごしています。最近は湿度や暑さにも慣れてきて、水分補給もしっかりできています。

ーースペイン戦から一夜明けて、試合を振り返っていかがですか?

スペイン戦は相手のスピードやパワーに慣れなかったんですが、それを立て直す力が出せませんでした。相手がどうこうというよりも、自分たちがやるべきことができなかったので、カナダ戦では一つ一つ丁寧につなぐことや、守備の1対1で負けないことなどをしっかり続けていきたいと思います。チームの雰囲気は下がることなく、次に向かっていこうという感じですね。

ーーカナダ戦では、どのようなことを意識して臨みますか?

海外の選手は足が長く、一歩目が速いので、その1mの差で、相手を抜けたり、足を出されてしまったりするので、一つ一つの立ち位置にもこだわっていきたいです。カナダ戦に出られる機会があれば、まずボールを受けたら前を向いて仕掛けたり、積極的にゴールを狙いたいと思います。

平尾
平尾

GK 平尾知佳(18日練習後)

ーー国内リーグと、世界との差をどんなところに感じますか?

一番感じるのはフィジカルの差で、いつもみんなが負けないところで簡単にあたり負けてしまうところがありますし、裏への対応で前に出て行っても、足が出てくるので、ボールをつつかれた時に失点してしないように気をつけたいと思っています。スペイン戦の前半で、シュートストップした際に手首を持っていかれる場面がありました。そこは日本と世界の差だと感じました。

ーー今後はどのようなプレーでチームに貢献したいでですか?

センターバックとサイドバックとボランチと協力してつないで、自分たちの流れを作って、後ろからビルドアップすることで、チームの流れを良くしていきたいと思います。

ーーこのチームは18歳から20歳の選手がいる中で、平尾選手は一番上の代ですが、どのような役割を意識していますか?

19歳の年代は、U-17(女子ワールドカップ)も、U-19のアジア(AFC U-19女子選手権)も、一回も負けたことがない状態で来ていますが、自分たちの年はどちらの大会でも負けた経験を持っていて、この4年間で切り替えの必要性を学びました。このチームでは年上の立場なので、引っ張っていかなければと感じています。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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