台風17号、台湾に上陸へ 今年3度目の台風被害のおそれ
先々週、台風14号が猛威をふるった台湾に、また一つ台風が上陸する可能性が高くなってきました。17号(国際名:メギー)は27日(火)午後に、台湾中部に上陸する見込みです。
台風17号の現況と予想進路
26日(月)19時の時点で、中心気圧950hPa、最大風速40メートルの「大型で強い」勢力となっています。
27日(火)朝には「非常に強い」台風へと発達し、午後には台湾中部に上陸する予想となっています。その後28日(水)には中国・福建省または広東省に再上陸する見込みです。
台湾では今年3つ目の台風
台湾の台風上陸・接近数は、年平均で約3~4個です。今年はすでに台風1号が上陸し、14号が接近しています。
しかもどちらも、アメリカの基準でスーパー台風と呼ばれる最強クラスの台風で、1号は中心気圧が一時900hPaまで下がり、一方14号は890hPaと今年最強の台風となりました。台湾では度重なる台風の襲来で、多数の死傷者が出ています。
台湾はスーパー台風街道
スーパー台風の襲来は今年だけの事ではなく、去年もまた台湾に上陸しています。
例えば、一時中心気圧が900hPaまで下がったスーパー台風13号は、8月8日台湾中部に上陸しました。
またその1カ月後にはスーパー台風21号が、中心気圧925hPaの最盛期のまま台湾に上陸しています。
さらに、2010年には今回の17号と同じ国際名(メギー)を持つスーパー台風13号が台湾に近づき、24時間で記録となる939mmの雨が降りました。大規模な洪水や土砂崩れが発生し、約40人が亡くなっています。
台風強大化に、黒潮が関係か
このように近年、スーパー台風が頻繁に台湾を直撃しています。
実際、東アジア諸国に上陸した台風は、過去37年間で、12~15%も勢力が強まっているという研究もあります。
台風が強くなっている一因として、近年の黒潮の変化も考えられるようです。ドイツの研究によると、温暖化により黒潮の水温が上昇したことで台風が強まり、台湾・中国・日本といった周辺地域が、より強大な嵐の危険にさらされているといいます。
今回の17号はスーパー台風にはならない予想となっていますが、それでも「弱り目の祟り目」で、相次ぐ台風の襲来で疲弊した台湾に、大打撃を与える恐れがあります。