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「年少記録は気にしていない」「最終的にどれだけやれるかの方が大事」藤井聡太新叡王(19)コメント

松本博文将棋ライター
(画像作成:筆者)

藤井聡太新叡王「(藤井先手で戦型は相掛かり)序盤から積極的に動かれて。こちらが対応できるかという展開だったんですけど。かなり難しい中盤が続いていたのかな、と思うんですけど。(65手目)▲6七銀引として▲7六歩として一応(相手の攻めの銀を追い返し)7筋、8筋を止めることができたので、なんとかバランスを保ってたのかな、という気がします。(終盤は中段の)飛車を圧迫される感じになって。飛車を取られるとこちらの玉が薄いので。(91手目、▲3五同飛で金と刺し違え)ちょっと本譜のように(飛車を)切っていくのはあまり成算がなかったというか。少し、どうなっているのかわからなかったです。(107手目、王手で)▲6二金と打って、一手勝っているかな、と思いました。(叡王獲得は)まだまったく実感はないんですけど。(タイトル戦番勝負で)フルセットは自分にとって初めてで。その中で結果を出せたのはよかったかなと思います。(19歳1か月で史上最年少三冠となったが)うーん、そうですね、それも本局に臨むにあたってまったく意識はしていなかったんですけど。これからも対局が続くのであまり結果のことは意識せずに前を向いていけたらとは思います。(これまでの史上最年少三冠は羽生善治現九段の22歳3か月だったが、それを超えたことについては)うーん、そうですね・・・。自分としてはあまりそういった年少記録は気にしていないというか。最終的にどれだけやれるかということの方が大事なのかな、とは思っています。(五番勝負を振り返って)シリーズ通して、けっこうきわどい将棋が多かったのかな、と思うんですけど。第4局はこちらが完敗だったので。内容的には課題を感じる部分もあったんですけど。フルセットまで指せて勉強になったシリーズだったのかなと思います。(豊島竜王とは竜王戦七番勝負でも戦うことになるが)1か月近くまだ開幕まであるので、その間にしっかり準備して臨みたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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