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2024年夏アニメ「得るものがある」視点から選んだ4作 #専門家のまとめ

河村鳴紘サブカル専門ライター
アニメ「逃げ上手の若君」(C)松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

 「推しの子」や「君に届け」など人気のアニメがそろった7月放送開始の「夏アニメ」。毎四半期(3カ月ごと)のこととはいえ、作品数が充実しているがゆえに、どの作品を見ればよいのか……と迷う人もいるでしょう。今回は既に実績のあるシリーズもの以外で、「役に立つ」「得るものがある」という視点から選んだ四つのアニメを紹介します。

ココがポイント

▼逃げ上手の若君 足利尊氏(高氏)に戦いを挑み、中先代の乱で有名な北条時行の活躍を描く。エンタメと歴史を巧みに融合。

▼天穂のサクナヒメ ダメ女神が、未開の離島で稲作に精を出し、鬼退治に奮闘。稲作へのこだわり、主役の精神的な成長も。

▼現代誤訳 名言を題材にした異色のコントアニメで、声優・津田健次郎と浪川大輔が企画。後半は実写で、制作の内幕を明かす。

▼2.5次元の誘惑(リリサ) コスプレ文化に真っ向から切り込んだラブコメ。サブカル好きの知識、見識を広げてくれる。

エキスパートの補足・見解

 シリーズ化されたアニメは人気があり、誰もが安心して見られますし、近年人気のリメークアニメもやはり話題になります。とはいうものの、やはり新規の「突き上げ」があってこそです。

 「逃げ上手の若君」は、戦乱が続く鎌倉幕府滅亡時から室町時代初期の興味を掘り起こしてくれますし、「サクナヒメ」は古代日本・稲作文化のエッセンスに触れていること、「現代誤訳」は従来アニメの枠にはまらない表現への意欲、「2.5次元の誘惑」はコスプレをテーマに真剣に掘り下げているのがポイントです。

 好みは人それぞれですから、「誰でも楽しめる」というわけにはいきません。ですが一度だけでも見てもらえれば、何か気付きがあったり、魅了されたりするのではないかと思っています。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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