【長崎市】工芸けやきの陶器と藍染作品、野はら屋の薩摩焼‘黒もん’の器勢ぞろい。三人展21日まで開催。
こんにちは!賑やかな長崎くんちが終わり、少し寂しさを感じているmisahanaです。
本日は、連休のお出かけにぴったりな話題をお届けします。
出島日新ビル2階のギャラリーList:にて、ルーツ、その先へー工芸けやき・野はら屋 佐々木かおりの企画展が始まりました。
期間は、10/11(金)~21(月)までの10日間です。(※15(火)は、ギャラリー休業日)
企画展には、工芸けやきの庄司宣夫さんの陶器と秀子さんの藍染作品、鹿児島薩摩川内市の野はら屋佐々木かおりさんの陶器作品が、あわせて約500点展示・販売されています。
宣夫さんと佐々木さんは、沖縄・読谷村焼北窯の松田米司工房の1期生として、ともに修業しました。2017年から二人展を行っており、今回で4回目です。
今回は、秀子さんの藍染作品も加わり、三人展として開催されます。
ここで少し、3人のプロフィールをご紹介します。
カリー&工芸 けやき
「カリー&工芸 けやき」は、50年以上続く有名店。浜口町や万屋町で、喫茶店と民芸品のお店を行っており、現在の中園町へ。
民芸品や布などの仕入れのため、国内だけでなく、タイやインドなど世界各地を回る。長崎市民に長年愛されているスパイスカレーは、北インドの本場のカレーを再現したもの。
庄司宣夫
30代前半で、本格的に大窯で陶芸を始める。50代で沖縄・読谷村焼北窯の松田米司に師事。けやき窯にて、「暮らしの中で活躍する、使いやすい器」を目指して作陶。陶芸教室も開催。長崎民藝協会の会長も務め、現在も理事として尽力。
庄司秀子
50代で京都の川島テキスタイルスクールにて染物を学ぶ。藍染の伝統的な絞り染めを基に、ハンカチやスカーフ等の小物類、洋服など大小様々な作品を生み出す。現在も、藍染や草木染めの教室も行いながら、製作を続けている。
野はら屋 佐々木かおり
沖縄・読谷村焼北窯の松田米司工房の1期生として10年間修業。地元鹿児島に戻り、2006年薩摩川内市で独立。北窯で学んだ技術を生かし、土地の素材を使いながら、黒もんと呼ばれる黒薩摩を中心に作陶。
日々の暮らしに寄り添う作品を
宣夫さんと佐々木さんは、北窯の松田米司工房で出会って以来、夫婦で30年ほど交流を続けています。親子のような歳の差ですが、お互いに尊敬し合う、ものづくりの同士です。
「展示会だからと特別なものだったり、大きいものは作りません。いつも通り、日常生活に馴染むものを」と宣夫さん。その言葉の通り、シンプルなお皿や湯吞み、カップなどが並びます。
一方、佐々木さんが作る黒薩摩の黒もんも、古くから、庶民の食器や道具として使われてきたものです。
実際に展示されている器を見ると、黒色の種類もいろいろあり、中に赤みがかったものも。とても美しいです。
おふたりのつくる陶器は、色や形、質感などそれぞれ個性があります。しかし、どちらからも、どっしりとした土のあたたかみを感じられる作品です。北窯のルーツでしょうか・・・。
手にすっと馴染む質感や形が多く、生活を共にする器として、心地よく使えそうなものばかりです。
そして、ギャラリーの空間をきりっと引き締めてくれる藍染作品。秀子さんは、「焼き物と布(きれ)は、相性がいい」と話します。
藍染の上に並んだ器のたたずまいが、凜々しく、かっこいいです。藍染めが、器の美しさをより一層引き出しているように感じます。
藍染作品は、麻や綿など布によって、色味や柄の雰囲気が変わり、とてもおもしろいです。
陶器も藍染も、ひとつとして同じものがないところに、改めて心惹かれました。
展示会を企画したList:の松井さんは、「好きなものと暮らすということを、庄司さんご夫婦から学ばせてもらった」と話します。
「3人が生み出す‘美しいもの’に触れて、感じてもらえる機会になれば嬉しい」とほほえみます。
みなさんも、美しいものに囲まれた空間に、足を運んでみてはいかがでしょうか?日々の生活を豊かにしてくれる、お気に入りの作品に出会えるかも。