バーチャル空間から現実のライブハウスへの映像配信にとりくむVTuberシーン
10月27日、東京・池袋にある未来型ライブ劇場harevutaiにて開催された「VTuber Halloween Fes 2022 in harevutai」。メタバースコミュニティのなかで強い存在感を発揮しているおきゅたんbotさん、エピト/水木瑛斗さんをMCとして、九条林檎さん、東雲めぐさん、紡音れいさん、柚子花さん、FlareRuneさん、式部めぐりさん、叶 秘蜜さんといった人気VTuberが集い、歌い、踊りを繰り広げる音楽ライブフェスでした。
ソニー・ミュージック、エイベックス、ホリプロといった大手芸能事務所が参加するドラフト型オーディション「スタースカウト総選挙」が主催する、新人VTuberのための初の音楽ライブフェス。期待の新人VTuber5名、実在性バーチャルプロジェクト「MEMENTO」も出演するビッグパーティ。会場には推しのライブを一目見ようと、多くのファンがかけつけていました。
VTuberが現実のライブハウスのスクリーンに登場するライブは以前から存在していました。筆者は久しぶりに体験しましたが、平面スクリーンに2次元を投影する形であっても、現実世界を超える演出が可能なバーチャルライブスペースからの配信や大型スクリーンを活かしたアーティストの表現は極めてダイナミック。つめかけたオーディエンスの盛り上がりとともに、現実とバーチャルが一体となる姿を目撃しました。
VRChat内に現実と同じスケールのステージを作る
おきゅたんbotさんに舞台裏を見せていただきました。というのもVTuberが現実空間に現れるためには、どういった環境が必要なのかが気になったから。
まずおきゅたんbotさんは、VRChatで未来型ライブ劇場harevutaiのステージと同じスケールのワールドを作成。事前のリハーサルが行える環境を整えました。
「出演するアーティストが多く会場でリハーサルをする時間がとれないとのことだったので、バーチャル空間内でリハーサルができるようにしました」(おきゅたんbotさん)
ステージの広さ、スクリーンの広さ、観客席との段差などが、VRChatで確認できるという発想です。出演するアーティストだけではなく、配信用のワールドを制作したクリエイターや、ライブ中に現地でVJを担当するクリエイターもステージの上から、または客席から見栄えを確認することができます。
VRChatでは背の小さいアバターを使う人が多いのですが、現実のライブハウスはリアルな人間の背の高さに合わせて設計されています。その点も考慮して、客席の最前列から、または後ろの方からどうやって見えるのかをチェックしていきます。
「会場に来てくれたファンのみなさんの目線に目を合わせるには、どのぐらいの角度で写ってればいいのかなみたいな実験を、先にここで行いました」(おきゅたんbotさん)
ライブ中に使われるステージ用ワールドにもバミリとなるガイドが表示可能。現実世界とバーチャル空間をビシッとマッチングさせるためには、様々な苦労が必要なんだとわかります。
ところで一番ウケたのが、あらと-Alat-さんのステージ。VRChatユーザーにはおなじみのポピー横丁じゃないですか!