北朝鮮は車載移動式ICBMを既に6基保有
アメリカ国防総省が年次報告書「北朝鮮の軍事力2013」を議会に提出しました。この資料には北朝鮮の弾道ミサイル戦力に付いて以下のような表が掲載されています。(元は英文で和訳してあります。)
これまでKN-08というコードネームで呼ばれていた車載移動式長距離弾道ミサイルはファソン13(Hwasong-13、火星13)という北朝鮮での呼称が記載されています。またKN-02短距離弾道ミサイルはトクサ(北朝鮮語で毒蛇の意味)となっていました。そして昨年の年次報告に引き続き今年もムスダンは固有名を記載されておらず、ただIRBM(中距離弾道ミサイル)とだけあったので和訳はこの部分だけ推定です。
昨年の年次報告に引き続き、この資料の表はミサイル数ではなくランチャー数が記載されています。ランチャー1基あたりのミサイル数は戦術用途の短距離弾道ミサイルならば5本前後は予備弾が用意されています。戦略用途の、つまり核弾頭が前提の長距離弾道ミサイルの場合は予備弾無しでランチャーに乗せている分だけです。ファソン13のミサイル数はランチャー数と同じで、一方でスカッド系が500~600発、ノドンが200~300発はあると推定されています。
長距離弾道ミサイルの射程5500kmは北朝鮮から発射するとアラスカを射程に捉えます。ハワイを狙うには8000km、アメリカ本土西海岸を狙うには1万km必要です。射程5500km以上ということは何処までの射程があるのかまだよく分かっていないということですが、ファソン13が今後試射を繰り返して性能を確かなものとした場合には、アメリカ本土への直接的な脅威となりえるでしょう。
2013年5月5日:北朝鮮ノドン弾道ミサイルのランチャー数は50基以下(JSF) - Y!ニュース昨年の年次報告解説記事。